10.2. ユースケース: Pod で設定マップを使用する
以下のセクションでは、Pod で ConfigMap
オブジェクトを使用する際のいくつかのユースケースについて説明します。
10.2.1. 設定マップの使用によるコンテナーでの環境変数の設定
config map を使用して、コンテナーで個別の環境変数を設定するために使用したり、有効な環境変数名を生成するすべてのキーを使用してコンテナーで環境変数を設定するために使用したりすることができます。
例として、以下の設定マップについて見てみましょう。
2 つの環境変数を含む ConfigMap
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: special-config 1 namespace: default 2 data: special.how: very 3 special.type: charm 4
1 つの環境変数を含む ConfigMap
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: env-config 1 namespace: default data: log_level: INFO 2
手順
configMapKeyRef
セクションを使用して、Pod のこのConfigMap
のキーを使用できます。特定の環境変数を挿入するように設定されている
Pod
仕様のサンプルapiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: dapi-test-pod spec: containers: - name: test-container image: gcr.io/google_containers/busybox command: [ "/bin/sh", "-c", "env" ] env: 1 - name: SPECIAL_LEVEL_KEY 2 valueFrom: configMapKeyRef: name: special-config 3 key: special.how 4 - name: SPECIAL_TYPE_KEY valueFrom: configMapKeyRef: name: special-config 5 key: special.type 6 optional: true 7 envFrom: 8 - configMapRef: name: env-config 9 restartPolicy: Never
この Pod が実行されると、Pod のログには以下の出力が含まれます。
SPECIAL_LEVEL_KEY=very log_level=INFO
SPECIAL_TYPE_KEY=charm
は出力例にリスト表示されません。optional: true
が設定されているためです。
10.2.2. 設定マップを使用したコンテナーコマンドのコマンドライン引数の設定
config map を使用すると、Kubernetes 置換構文 $(VAR_NAME)
を使用してコンテナー内のコマンドまたは引数の値を設定できます。
例として、以下の設定マップについて見てみましょう。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: special-config namespace: default data: special.how: very special.type: charm
手順
コンテナー内のコマンドに値を挿入するには、環境変数として使用するキーを使用する必要があります。次に、
$(VAR_NAME)
構文を使用してコンテナーのコマンドでそれらを参照することができます。特定の環境変数を挿入するように設定されている Pod 仕様のサンプル
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: dapi-test-pod spec: containers: - name: test-container image: gcr.io/google_containers/busybox command: [ "/bin/sh", "-c", "echo $(SPECIAL_LEVEL_KEY) $(SPECIAL_TYPE_KEY)" ] 1 env: - name: SPECIAL_LEVEL_KEY valueFrom: configMapKeyRef: name: special-config key: special.how - name: SPECIAL_TYPE_KEY valueFrom: configMapKeyRef: name: special-config key: special.type restartPolicy: Never
- 1
- 環境変数として使用するキーを使用して、コンテナーのコマンドに値を挿入します。
この Pod が実行されると、test-container コンテナーで実行される echo コマンドの出力は以下のようになります。
very charm
10.2.3. 設定マップの使用によるボリュームへのコンテンツの挿入
設定マップを使用して、コンテンツをボリュームに挿入することができます。
ConfigMap
カスタムリソース (CR) の例
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: special-config namespace: default data: special.how: very special.type: charm
手順
設定マップを使用してコンテンツをボリュームに挿入するには、2 つの異なるオプションを使用できます。
設定マップを使用してコンテンツをボリュームに挿入するための最も基本的な方法は、キーがファイル名であり、ファイルの内容がキーの値になっているファイルでボリュームを設定する方法です。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: dapi-test-pod spec: containers: - name: test-container image: gcr.io/google_containers/busybox command: [ "/bin/sh", "-c", "cat", "/etc/config/special.how" ] volumeMounts: - name: config-volume mountPath: /etc/config volumes: - name: config-volume configMap: name: special-config 1 restartPolicy: Never
- 1
- キーを含むファイル。
この Pod が実行されると、cat コマンドの出力は以下のようになります。
very
設定マップキーが投影されるボリューム内のパスを制御することもできます。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: dapi-test-pod spec: containers: - name: test-container image: gcr.io/google_containers/busybox command: [ "/bin/sh", "-c", "cat", "/etc/config/path/to/special-key" ] volumeMounts: - name: config-volume mountPath: /etc/config volumes: - name: config-volume configMap: name: special-config items: - key: special.how path: path/to/special-key 1 restartPolicy: Never
- 1
- 設定マップキーへのパス。
この Pod が実行されると、cat コマンドの出力は以下のようになります。
very