7.7. 容認を使用した OpenShift Logging Pod 配置の制御


taint と toleration を使用することで、ロギングシステム pod が特定のノードで実行され、その他のワークロードがそれらのノードで実行されないようにします。

テイントおよび容認は、単純な key:value のペアです。ノードのテイントはノードに対し、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するよう指示します。

key は最大 253 文字までの文字列で、value は最大 63 文字までの文字列になります。文字列は文字または数字で開始する必要があり、文字、数字、ハイフン、ドットおよびアンダースコアを含めることができます。

toleration のあるサンプルロギングサブシステム CR

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: "ClusterLogging"
metadata:
  name: "instance"
  namespace: openshift-logging

...

spec:
  managementState: "Managed"
  logStore:
    type: "elasticsearch"
    elasticsearch:
      nodeCount: 3
      tolerations: 1
      - key: "logging"
        operator: "Exists"
        effect: "NoExecute"
        tolerationSeconds: 6000
      resources:
        limits:
          memory: 16Gi
        requests:
          cpu: 200m
          memory: 16Gi
      storage: {}
      redundancyPolicy: "ZeroRedundancy"
  visualization:
    type: "kibana"
    kibana:
      tolerations: 2
      - key: "logging"
        operator: "Exists"
        effect: "NoExecute"
        tolerationSeconds: 6000
      resources:
        limits:
          memory: 2Gi
        requests:
          cpu: 100m
          memory: 1Gi
      replicas: 1
  collection:
    logs:
      type: "fluentd"
      fluentd:
        tolerations: 3
        - key: "logging"
          operator: "Exists"
          effect: "NoExecute"
          tolerationSeconds: 6000
        resources:
          limits:
            memory: 2Gi
          requests:
            cpu: 100m
            memory: 1Gi

1
この容認は Elasticsearch Pod に追加されます。
2
この容認は Kibana Pod に追加されます。
3
この容認はロギングコレクター Pod に追加されます。

7.7.1. 容認を使用したログストア Pod の配置の制御

ログストア Pod が実行するノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにできます。

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を使用して容認をログストア Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value pair です。他の Pod にはない特定の key:value ペアを使用することで、ログストア Pod のみがそのノード上で実行されるようにできます。

デフォルトで、ログストア Pod には以下の容認があります。

tolerations:
- effect: "NoExecute"
  key: "node.kubernetes.io/disk-pressure"
  operator: "Exists"

前提条件

  • Red Hat OpenShift Logging および Elasticsearch Operators がインストールされている必要があります。

手順

  1. 以下のコマンドを使用して、OpenShift Logging Pod をスケジュールするノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>

    以下に例を示します。

    $ oc adm taint nodes node1 elasticsearch=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー elasticsearch、値 node、およびテイントの効果 NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute effect のノードは、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging CR の logstore セクションを編集し、Elasticsearch Pod の容認を設定します。

      logStore:
        type: "elasticsearch"
        elasticsearch:
          nodeCount: 1
          tolerations:
          - key: "elasticsearch"  1
            operator: "Exists"  2
            effect: "NoExecute"  3
            tolerationSeconds: 6000  4
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定し、キー elasticsearch のあるテイントがノードに存在する必要があるようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は node1 にスケジュールできます。

7.7.2. 容認を使用したログビジュアライザー Pod の配置の制御

ログビジュアライザー Pod が実行されるノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにできます。

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を使用して容認をログビジュアライザー Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value pair です。他の Pod にはない特定の key:value ペアを使用することで、Kibana Pod のみをそのノード上で実行できます。

前提条件

  • Red Hat OpenShift Logging および Elasticsearch Operators がインストールされている必要があります。

手順

  1. 以下のコマンドを使用して、ログビジュアライザー Pod をスケジュールする必要のあるノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>

    以下に例を示します。

    $ oc adm taint nodes node1 kibana=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー kibana、値 node、およびテイントの効果 NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute テイント effect を使用する必要があります。NoExecute は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging CR の visualization セクションを編集し、Kibana Pod の容認を設定します。

      visualization:
        type: "kibana"
        kibana:
          tolerations:
          - key: "kibana"  1
            operator: "Exists"  2
            effect: "NoExecute"  3
            tolerationSeconds: 6000 4
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定して、key/value/effect パラメーターが一致するようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1 にスケジュールできます。

7.7.3. 容認を使用したログコレクター Pod 配置の制御

ロギングコレクター Pod が実行するノードを確認し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにできます。

容認を ClusterLogging カスタムリソース (CR) でロギングコレクター Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。テイントおよび容認を使用すると、Pod がメモリーや CPU などの問題によってエビクトされないようにできます。

デフォルトで、ロギングコレクター Pod には以下の容認があります。

tolerations:
- key: "node-role.kubernetes.io/master"
  operator: "Exists"
  effect: "NoExecute"

前提条件

  • Red Hat OpenShift Logging および Elasticsearch Operators がインストールされている必要があります。

手順

  1. 以下のコマンドを使用して、ロギングコレクター Pod がロギングコレクター Pod をスケジュールする必要のあるノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>

    以下に例を示します。

    $ oc adm taint nodes node1 collector=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー collector、値 node、およびテイント effect NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute テイント effect を使用する必要があります。NoExecute は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging カスタムリソース (CR) の collection スタンザを編集して、ロギングコレクター Pod の容認を設定します。

      collection:
        logs:
          type: "fluentd"
          fluentd:
            tolerations:
            - key: "collector"  1
              operator: "Exists"  2
              effect: "NoExecute"  3
              tolerationSeconds: 6000  4
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定して、key/value/effect パラメーターが一致するようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1 にスケジュールできます。

7.7.4. 関連情報

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