第12章 単一ノードへのインストール
12.1. 単一ノードへのインストールの準備
12.1.1. 前提条件
- OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスについての詳細を確認している。
- クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備 を確認している。
12.1.2. 単一ノードでの OpenShift について
標準のインストール方法で単一ノードクラスターを作成できます。単一ノード上の OpenShift Container Platform は、特別な Ignition 設定 ISO の作成を必要とする特殊なインストールです。プライマリーユースケースは、断続的な接続、ポータブルクラウド、および 5G ラジオアクセスネットワーク (RAN) などのエッジコンピューティングのワークロード向けです。単一ノードでのインストールに関する主なトレードオフは、高可用性がないことです。
単一ノードの OpenShift での OpenShiftSDN の使用は非推奨です。OVN-Kubernetes は、単一ノードの OpenShift デプロイメントのデフォルトのネットワークソリューションです。
12.1.3. 単一ノードに OpenShift をインストールするための要件
OpenShift Container Platform を単一ノードにインストールすると、高可用性および大規模なクラスターの一部の要件が軽減されます。ただし、以下の要件を満たす必要があります。
- 管理ホスト: ISO を準備して USB ブートドライブを作成し、インストールを監視するためのコンピューターが必要です。
-
サポートされているプラットフォーム: 単一ノードへの OpenShift Container Platform のインストールは、ベアメタルおよび 認定されたサードパーティーのハイパーバイザー でサポートされています。いずれの場合も、
install-config.yaml
設定ファイルでplatform.none: {}
パラメーターを指定する必要があります。 実稼働環境グレードサーバー: OpenShift Container Platform を単一ノードにインストールし、OpenShift Container Platform サービスと実稼働のワークロードを実行するのに十分なリソースを持つサーバーが必要です。
表12.1 最小リソース要件 プロファイル vCPU メモリー ストレージ 最低限
8 vCPU コア
16GB の RAM
120GB
注記1 vCPU は、同時マルチスレッド (SMT) またはハイパースレッディングが有効にされていない場合に 1 つの物理コアと同等です。有効にした場合には、次の式を使用して対応する比率を計算します。
(コアあたりのスレッド数×コア)×ソケット= vCPU
仮想メディアを使用して起動する場合は、サーバーには Baseboard Management Controller (BMC) が必要です。
ネットワーク: サーバーは、ルーティング可能なネットワークに接続されていない場合は、インターネットまたはローカルレジストリーにアクセスできるようにする必要があります。サーバーには、Kubernetes API、Ingress ルート、およびクラスターノードドメイン名の DHCP 予約または静的 IP アドレスが必要です。DNS が、以下の完全修飾ドメイン名 (FQDN) のそれぞれに IP アドレスを解決できるように設定する必要があります。
表12.2 必要な DNS レコード 使用法 FQDN 説明 Kubernetes API
api.<cluster_name>.<base_domain>
DNS A/AAAA または CNAME レコードを追加します。このレコードは、クラスター外のクライアントで解決できる必要があります。
内部 API
api-int.<cluster_name>.<base_domain>
ISO を手動で作成する場合は、DNS A/AAAA または CNAME レコードを追加します。このレコードは、クラスター内のノードによって解決できる必要があります。
Ingress ルート
*.apps.<cluster_name>.<base_domain>
ノードをターゲットにするワイルドカード DNS A/AAAA または CNAME レコードを追加します。このレコードは、クラスター外のクライアントで解決できる必要があります。
永続的な IP アドレスがない場合、
apiserver
とetcd
の間の通信で失敗する可能性があります。