18.2. 自動マウントの設定
Identity Management で自動マウントエントリー (場所やマップなど) を設定するには、既存の autofs/NFS サーバーが必要です。automount エントリーを作成しても、基礎となる autofs 設定は作成されません。
Autofs は、LDAP または SSSD をデータストアとして使用して手動で設定するか、自動で設定することが可能です。
ヒント
自動マウント設定を変更する前に、コマンドラインから
/home
ディレクトリーを正常にマウントできることをテストします。NFS が既に正常に機能しているこを確認すると、後で ldM 自動マウント設定エラーが発生しても解決が容易になります。
18.2.1. NFS の自動設定
システムを IdM クライアント (設定の一部としてドメインクライアントとして設定された IdM サーバーおよびレプリカを含む) として設定すると、autofs を設定し、IdM ドメインを NFS ドメインとして使用し、autofs サービスを有効にすることができます。
デフォルトでは、ipa-client-automount コマンドは NFS 設定ファイル (
/etc/sysconfig/nfs
および /etc/idmapd.conf
) を自動的に設定します。また、SSSD が NFS の認証情報を管理するようにも設定します。
ipa-client-automount コマンドをオプションなしで実行すると、DNS 検索スキャンが実行されて利用可能な ldM サーバーを特定し、default という名前のデフォルトの場所を作成します。
[root@server ~]# ipa-client-automount Searching for IPA server... IPA server: DNS discovery Location: default Continue to configure the system with these values? [no]: yes Configured /etc/nsswitch.conf Configured /etc/sysconfig/nfs Configured /etc/idmapd.conf Started rpcidmapd Started rpcgssd Restarting sssd, waiting for it to become available. Started autofs
ldM サーバーがデフォルト以外の automount の場所を使用、作成することも可能です。
[root@server ~]# ipa-client-automount --server=ipaserver.example.com --location=raleigh
この ipa-client-automount コマンドは、NFS の設定とともに、外部 IdM ストアにアクセスできない場合に、SSSD が自動マウントマップをキャッシュするように設定します。SSSD の設定では、以下の 2 つが実行されます。
- サービスの設定情報が SSSD 設定に追加されます。IdM ドメインエントリーには、autofs プロバイダーとマウントの場所の設定があります。
autofs_provider = ipa ipa_automount_location = default
NFS は、対応しているサービスのリスト (services = nss,pam,autofs...) に追加され、空の設定エントリー([autofs]) が指定されます。 - Name Service Switch (NSS) サービス情報が更新され、自動マウント情報についてまず SSSD がチェックされ、次にローカルファイルがチェックされます。
automount: sss files
クライアントによる自動マウントマップのキャッシュが適切でないといった、非常に安全性の高い環境のインスタンスがいくつかあることがあります。この場合は、
--no-sssd
オプションを使用して ipa-client-automount コマンドを実行できます。これにより、必要なすべての NFS 設定ファイルが変更されますが、SSSD 設定は変更されません。
[root@server ~]# ipa-client-automount --no-sssd
必要な NFS 設定ファイルすべて - ファイルの一覧は、SSSD を使用しないと若干異なります。
- このコマンドにより、
/etc/sysconfig/nfs
ではなく/etc/sysconfig/autofs
が更新されます。 - このコマンドは、IdM LDAP 設定で
/etc/autofs_ldap_auth.conf
を設定します。 - このコマンドは、自動マウントマップに LDAP サービスを使用するように
/etc/nsswitch.conf
を設定します。
注記
この ipa-client-automount コマンドは 1 回のみ実行できます。設定にエラーがある場合は、設定ファイルを手動で編集する必要があります。