1.2.5. 管理: SSSD
SSSD (System Security Services Daemon) は、認証情報をキャッシュするプラットフォームアプリケーションです。システム認証の多くは、ローカルで設定されているので、サービスは、ローカルユーザーストアをチェックして、ユーザーと認証情報を判断する必要があります。SSSD を使用することで、ローカルサービスは SSSD のローカルキャッシュをチェックできます。このキャッシュは、Identity Management を含むさまざまなリモートアイデンティティープロバイダーから取得できます。
SSSD は、ユーザー名とパスワード、Kerberos プリンシパルおよびキータブ、IPA サーバーで定義された sudo ルール、Identity Management ドメインおよびシステムが使用する SSH 鍵をキャッシュできます。SSSD を使用すると、管理者には大きな利点が 2 つあります。全 ID 設定を 1 つのアプリケーション (IdM サーバー) に集約できる点、システムまたは IdM サーバーが利用できなくなった場合に、ローカルシステムに外部情報をキャッシュして、通常の認証操作を続行できる点です。
SSSD は、IdM クライアントのインストールと管理スクリプトによって自動的に設定されるので、ドメイン設定が変更されても、システム設定を手動で更新する必要はありません。
SSSD では、Windows Active Directory と同様に、ユーザー名属性またはユーザープリンシパル名 (UPN) 属性のいずれかでログインできます。
SSSD は、
case_sensitive
オプションで true
、false
、および preserve
の値をサポートします。preserve
値が有効にな場合には、入力内容は大文字と小文字に関係なく一致しますが、出力内容は常にサーバーと同じものを使用します。SSSD は、設定された UID フィールドの大文字、小文字設定を保持します。
SSSD は、バックグラウンドでキャッシュされた特定のエントリーを更新でき、バックエンドは常に更新されているため、エントリーが即時に返されます。現在、ユーザー、グループ、および netgroups のエントリーがサポートされています。