第3章 カーネルモジュールの管理
モジュール情報を取得する方法や基本的な管理タスクを実行する方法など、カーネルモジュールを説明します。
3.1. モジュールの紹介
Red Hat Enterprise Linux カーネルはカーネルモジュールを使用して拡張でき、システムを再起動せずにオプションの追加機能を提供します。Red Hat Enterprise Linux 10 では、カーネルモジュールは、圧縮された <KERNEL_MODULE_NAME>.ko.xz
オブジェクトファイルに組み込まれている追加のカーネルコードです。
- ロード可能なカーネルモジュール (LKM)
- LKM は、実行中の Linux カーネルに動的にロードしたり、そこからアンロードしたりできます。システムの再起動やカーネル全体の再コンパイルを必要とせずに、デバイスドライバーやファイルシステムのサポートを追加できます。
カーネルモジュールにより有効になっている最も一般的な機能は、以下のとおりです。
- 新しいハードウェアへのサポートを強化するデバイスドライバー
- GFS2 や NFS などのファイルシステムのサポート
- システムコール
最新のシステムでは、必要に応じて自動的にカーネルモジュールが読み込まれます。ただし、場合によっては、モジュールを手動でロードまたはアンロードする必要があります。
カーネルと同様に、モジュールは動作をカスタマイズするパラメーターを受け入れます。
カーネルツールを使用して、モジュールに対して次のアクションを実行できます。
- 現在実行中のモジュールを検査する。
- カーネルにロードできるモジュールを検査する。
- モジュールが受け入れるパラメーターを検査する。
- 実行中のカーネルにカーネルモジュールをロードおよびアンロードするメカニズムを有効化する。