10.4. ログイン画面のカスタマイズ
GNOME ログイン画面には、カスタマイズできるいくつかの要素が含まれています。これらはシステム管理者のみが変更でき、この変更はすべてのユーザーに影響を及ぼします。このセクションでは、Greeter テキスト、キーボードのレイアウト、およびユーザーリストをカスタマイズする方法を説明します。
10.4.1. Greeter ロゴの追加
ログイン画面上の Greeter ロゴは、
org.gnome.login-screen.logo
GSettings キーによって制御されます。GDM
は独自の dconf
プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することで greeter ロゴを追加できます。
GSettings および
dconf
の詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。
ご使用のログイン画面に適したロゴのイメージを選択する際に、以下のイメージに関する要件を考慮してください。
- サポートされているすべての主な形式: ANI、BPM、GIF、ICNS、ICO、JPEG、JPEG 2000、PCX、PNM、PBM、PGM、PPM、GTIFF、RAS、TGA、TIFF、XBM、WBMP、XPM および SVG。
- イメージのサイズは 48 ピクセルの高さに比例して調整されます。そのため、たとえばロゴを 1920x1080 に設定すると、元のイメージの 85x48 サムネイルに変更されます。
手順10.6 ログイン画面へのログの追加
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/
で gdm プロファイルを作成または編集します。gdm
user-db:user system-db:gdm file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
GDM
はdconf
データベースの名前です。 - マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/01-logo
に作成します。[org/gnome/login-screen] logo='/usr/share/pixmaps/logo/greeter-logo.png'
/usr/share/pixmaps/logo/greeter-logo.png を、Greeter ロゴに使用するイメージファイルへのパスに置き換えます。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
次回のログイン時に、画面が新しいログインロゴと共に表示されます。
注記
ロゴが更新されなかったら ?
システムデータベースを更新するために root として dconf update コマンドを実行していることを確認します。ロゴが更新されない場合は、
GDM
の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。
10.4.2. テキストバナーの表示
ログイン画面のテキストバナーは、以下の GSettings キーによって制御されます (GSettings の詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください)。
org.gnome.login-screen.banner-message-enable
- バナーメッセージの表示を有効にします。
org.gnome.login-screen.banner-message-text
- ログイン画面にテキストバナーのメッセージを表示します。
GDM
は独自の dconf
プロファイルを使用するため、そのプロファイルの設定を変更することでテキストバナーを設定できます。
手順10.7 ログイン画面上のテキストバナーの表示
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/
で gdm プロファイルを作成または編集します。gdm
user-db:user system-db:gdm file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
GDM
はdconf
データベースの名前です。 - マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/01-banner-message
に作成します。[org/gnome/login-screen] banner-message-enable=true banner-message-text='Type the banner message here'
注記バナーメッセージには文字数の制限はありません。GNOME Shell は長いテキストを自動検出して、2 行にします。ただし、バナーメッセージのテキストを外部ファイルから読み取ることはできません。 - システムデータベースを更新します。
#
dconf update
バナーテキストはユーザーリストから選択した場合やボックスへの入力を開始する際に表示されます。次回のログイン時にパスワードを挿入するとテキストが表示されます。
10.4.2.1. バナーメッセージが更新されなかったら ?
バナーメッセージが表示されない場合は、dconf update コマンドを実行してください。
バナーメッセージが更新されない場合は、
GDM
の再起動を試行します。詳細は、「GDM の再起動」 を参照してください。
10.4.3. 複数のキーボードレイアウトの表示
ユーザーがログイン画面で選択できる代替キーボードのレイアウトは追加することができます。
これは、通常デフォルトとは異なるキーボードのレイアウトを使用するユーザーや、ログイン画面でキーボードの複数レイアウトを利用可能にしておく必要のあるユーザーにとって役立ちます。ただし、この選択はログイン画面の使用時のみに適用されます。いったんログインすると、ユーザー独自の設定が優先されます。
手順10.8 システムのキーボードレイアウト設定の変更
! layout
という名前のセクションの/usr/share/X11/xkb/rules/base.lst
ファイルで、必要な言語レイアウトのコードを見つけます。- 以下のように localectl ツールを使用して、システムのキーボードレイアウト設定を変更します。
$
localectl set-x11-keymap layoutコンマ区切りのリストで複数のレイアウトを指定することができます。たとえば、es
をデフォルトレイアウトとして、us
をセカンダリーレイアウトとして設定するには、以下のコマンドを実行します。$
localectl set-x11-keymap es,us
- ログアウトし、定義されたレイアウトがログイン画面のトップバーで利用可能な状態にあることを確認します。
localectl ツールを使用して、マシン全体のデフォルトのキーボードモデル、バリアント、およびオプションを指定することもできます。詳細は、localectl(1)の man ページを参照してください。
10.4.4. ログイン画面ユーザーリストの無効化
GSettings キー
org.gnome.login-screen.disable-user-list
を設定すると、ログイン画面に表示されるユーザーリストを無効にできます。
ユーザーリストが無効にされている場合、ユーザーはログインのプロンプト時にユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
手順10.9 org.gnome.login-screen.disable-user-list キーの設定
- 以下の行を含む
/etc/dconf/profile/
で gdm プロファイルを作成または編集します。gdm
user-db:user system-db:gdm file-db:/usr/share/gdm/greeter-dconf-defaults
GDM
はdconf
データベースの名前です。 - マシン全体の設定用に
gdm
データベースを/etc/dconf/db/gdm.d/00-login-screen
に作成します。[org/gnome/login-screen] # Do not show the user list disable-user-list=true
dconf
ユーティリティーを更新してシステムデータベースを更新します。#
dconf update