10.3. Plymouth
Plymouth
は、Red Hat Enterprise Linux 7 のグラフィカルブートシステムとロガーで、カーネルベースのモード設定(KMS)およびダイレクトレンダリングマネージャー(DRM)を利用します。plymouth は、
ブート中のユーザーの対話も処理します。
起動画面の外観は、各種の静的または動的なグラフィカルテーマを選択してカスタマイズできます。新規のテーマは既存のテーマをベースにして作成することができます。
10.3.1. テーマのブランド化
Plymouth
の各テーマは、テーマデータファイルとコンパイルされた スプラッシュプラグインモジュール で設定されます。データファイルの拡張子は .plymouth
で、/usr/share/plymouth/themes/
ディレクトリーにインストールされます。
設定データは、キーと値の形式で
[Plymouth Theme]
セクションに指定されます。グループの有効なキーは、Name、Description、および ModuleName です。最初の 2 つのキーは説明しませんが、3 番目のキーは Plymouth
スプラッシュプラグインモジュールの名前を指定します。複数の異なるプラグインが起動時に異なるアニメーションと各種テーマの基礎となる実装を提供します。
例10.2 サンプル .plymouth ファイル
[Plymouth Theme] Name=Charge Description=A theme that features the shadowy hull of my logo charge up and finally burst into full form. ModuleName=two-step
手順10.3 Plymouth テーマの変更
- 既存の
Plymouth
テーマを検索し、最も適切なテーマを選択します。次のコマンドを実行します。#
yum search plymouth-theme
または、plymouth-set-default-theme --list コマンドを実行して、インストールされたテーマを表示します。plymouth パッケージのインストール時にすべてのテーマをインストールすることもできます。ただし、これは不必要なパッケージを数多くインストールすることにもなります。#
yum install plymouth\*
- plymouth-set-default-theme theme_nameコマンドで新規テーマをデフォルト として設定します。
例10.3 デフォルトテーマとしての spinfinity の設定
spinfinity テーマを選択してから、以下を実行します。#
plymouth-set-default-theme spinfinity - 編集後に
initrd
デーモンを再構築します。再構築しないと、テーマはブート画面に表示されません。以下を実行してこれを実行します。#
dracut -f
10.3.2. 新規 Plymouth テーマの作成
所定のテーマリストから選択せずに、独自のテーマを作成することができます。最も簡単な方法は、既存テーマをコピーし、これを変更する方法です。
手順10.4 既存テーマから独自テーマを作成
plymouth/
ディレクトリーのコンテンツ全体をコピーします。テンプレートディレクトリーとして、たとえば、Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトのテーマである/usr/share/plymouth/themes/charge/charge.plymouth
を使用します。これは、2 ステップのスプラッシュプラグインを使用します(two-step は 2 つの段階のブート負荷で、起動時刻を同期してアニメーションの進捗状態から開始し、短期的な 1 回限りのアニメーションで終了します)。[Plymouth Theme] Name=Charge Description=A theme that features the shadowy hull of my logo charge up and finally burst into full form. ModuleName=two-step [two-step] ImageDir=/usr/share/plymouth/themes/charge HorizontalAlignment=.5 VerticalAlignment=.5 Transition=none TransitionDuration=0.0 BackgroundStartColor=0x202020 BackgroundEndColor=0x202020
charge.plymouth
ファイルを次の形式で/usr/share/plymouth/themes/newtheme/
ディレクトリーに保存します。newtheme.plymouth
- 設定に合わせて
/usr/share/plymouth/themes/newtheme /newtheme.plymouth
ファイルの設定を更新し、色、アライメント、または遷移を変更します。 - 以下のコマンドを実行して newtheme をデフォルトとして設定します。
#
plymouth-set-default-theme newtheme - 以下のコマンドを実行して、テーマを変更した後に
initrd
デーモンを再構築します。#
dracut -f
10.3.2.1. ブランド化されたロゴの使用
一部のプラグインはスプラッシュアニメーションの一部としてブランド化されたロゴを表示します。独自のロゴをテーマに追加する必要がある場合、以下の短い手順に従ってください。
重要
ブランド化されたロゴのイメージ形式は .png 形式でなければならないことに注意してください。
手順10.5 ログのテーマへの追加
- ご自分のロゴを使って
logo.png
という名前のイメージファイルを作成します。 - 手順 1 で作成した
logo.png
イメージファイルを含むディレクトリーを参照するように ImageDir キーを更新して、/usr/share/plymouth/themes/newtheme.plymouth
ファイルを編集します。ImageDir=/usr/share/plymouth/themes/newtheme
Plymouth
の詳細は、plymouth(8)の man ページを参照してください。