第1章 GNOME 3 デスクトップの紹介
1.1. GNOME 3 とは
GNOME 3 は Red Hat Enterprise Linux 7 のデフォルトのデスクトップ環境です。GNOME 3 は GNOME デスクトップの次期メジャーバージョンであり、新たなユーザーインターフェイスを導入すると共に、Red Hat Enterprise Linux 5 および 6 に同梱されている以前のバージョンの GNOME 2 デスクトップに大幅な機能改善を加えています。
図1.1 GNOME 3 デスクトップ (GNOME クラシック)
GNOME 3 は、生産性向上を重視した作業環境を提供します。強力な検索機能を使用して 1 つの場所からユーザーのすべての作業にアクセスすることができます。たとえば、手持ちのタスクに集中する必要のある場合は通知機能をオフにすることができます。
重要
適切に機能させるには、GNOME ではシステムが 3D アクセラレーション に対応する必要があります。これには、ベアメタルシステムや VMWare などのハイパーバイザーソリューションが含まれます。
VMWare 仮想マシンで GNOME が起動しなかったり、適切に実行できない場合は、次のソリューションを参照してください: Why does the GUI fails to start on my VMware virtual machine?.
詳細は、「ハードウェアアクセラレーションおよびソフトウェアレンダリング」 を参照してください。
GNOME 3 は数多くの強力なコンポーネントの上に構築されています。
- GNOME Shell
- GNOME Shell は最新かつ直感的なグラフィカルユーザーインターフェイスです。これは、視覚効果およびハードウェアアクセラレーションサポートを含む⾼品質のユーザーエクスペリエンスを提供します。
- GNOME クラシック
- GNOME クラシックは新旧機能を組み合わせたものであり、GNOME 2 の慣れ親しんだルックアンドフィールを維持しつつ GNOME Shell の強力な新機能と 3-D 機能を提供します。GNOME クラシックは Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトの GNOME セッションおよび GNOME Shell モードです。
- GSettings
- GSettings は、古い GNOME バージョンで見つかった
GConf
に代わる設定ストレージシステムです。GConf
から GSettings への移行に関する詳細は、3章GSettings および dconf を参照してください。GSettings を使用したデスクトップの設定に関する詳細は、9章GSettings および dconf を使用したデスクトップの設定 を参照してください。 - GVFS
GVFS
は完全な仮想ファイルシステムインフラストラクチャーを提供し、GNOME デスクトップでストレージを処理します。GVFS
により、GNOME 3 はオンラインのドキュメントストレージサービス、カレンダー、および連絡先リストと適切に統合されるため、すべてのデータが同じ場所からアクセスできるようになります。GVFS
の詳細は、15章仮想ファイルシステムおよびディスク管理 を参照してください。- GTK+
GTK+
は、グラフィカルユーザーインターフェイスを作成するためのマルチプラットフォームツールキットで、機能豊富な機能豊富な API を提供します。GTK+
により、GNOME 3 はアプリケーションの外観を変更したり、グラフィックのスムーズな外観を提供したりできます。さらに、GTK+
には、オブジェクト指向プログラミングサポート(GObject)、国際文字セットおよびテキストレイアウトの幅広いサポート(Pango)、またはアクセシビリティーインターフェイス(ATK)のセットなど、多くの機能が含まれています。