1.2. GNOME Shell とは
GNOME Shell は GNOME デスクトップのユーザーインターフェイスであり、GNOME 3 の主要テクノロジーです。これは、ウィンドウの切り替え、アプリケーションの起動または通知の表示などの基本的なユーザーインターフェイス機能を提供します。
GNOME Shell はユーザーインターフェイスの革新的な概念を導入し、最新のグラフィックスハードウェア搭載のシステム上のハードウェアアクセラレーションを含む、高品質のユーザーエクスペリエンスを提供します。
GNOME Shell ユーザーインターフェイスの主要コンポーネントには以下が含まれます。
- トップバー
- 画面最上部にある水平のバーからは、
アクティビティー
画面、時計およびカレンダー、システムステータスアイコン、画面左上のシステムメニューなど、GNOME Shell の基本的な機能の一部にアクセスできます。 - システムメニュー
システムメニュー
は右上隅にあります。このメニューからは、設定の更新や Wi-Fi 接続情報の確認、ユーザーの切り替え、コンピューターのシャットダウンなどができます。- アクティビティー画面
アクティビティー画面
は、ユーザーがアプリケーションやウィンドウを実行したり、それらの切り替えを行うことのできるウィンドウおよびアプリケーションビューを特長としています。上部の検索エントリー
を使用すると、アプリケーション、ドキュメント、ファイル、設定ツールなど、デスクトップで利用可能なさまざまな項目を検索できます。左側の垂直バーはダッシュ
と呼ばれ、これにはお気に入りのアプリケーションや実行中のアプリケーションの一覧が含まれます。ワークスペースリスト
は右側に表示され、ユーザーは複数のワークスペース間で切り替えを行ったり、アプリケーションやウィンドウをあるワークスペースから別のワークスペースに移動したりできます。- メッセージトレイ
メッセージトレイ
は画面下部の水平バーで、ユーザーが Super+M を押すと表示されます。ここから保留中の通知にアクセスできます。- GNOME クラシック固有のコンポーネント
- GNOME クラシック は Red Hat Enterprise Linux 7 におけるデフォルトの GNOME Shell モードです。これは、GNOME Shell の外観と共に GNOME Shell 動作のいくつかの側面を変更しています。これには、ウィンドウリストのある下部バーと、トップバーの 「GNOME クラシックとは」 を参照してください。メニューが含まれます。GNOME クラシックの詳細は、
1.2.1. ハードウェアアクセラレーションおよびソフトウェアレンダリング
GNOME Shell は視覚的な効果を特長としており、OpenGL ベースのグラフィックスライブラリーである
Clutter
が提供するハードウェアアクセラレーションサポートを利用します。
ハードウェアアクセラレーションが適切に機能するには、グラフィックスドライバーは GL 1.2 およびマルチテクスチャー拡張機能、または GL 1.3 をサポートする必要があります。または、ドライバーが GLES 1.1 または GLES 2.0 のサポートを提供する必要があります。多くの GPU モデルおよびドライバーは GL または GLES のサポートを適切に実装しないため、それらの GPU およびドライバーを搭載したシステムではハードウェアアクセラレーションは利用できない場合があることに注意してください。
GPU およびドライバー要件を満たさない、仮想マシンを含むシステムでは、ソフトウェアレンダリングを使用して、ハードウェアアクセラレーションがサポートされているシステムの場合と同じ GNOME 3 のユーザーエクスペリエンスを提供します。ソフトウェアレンダリングは、
llvmpipe
ドライバーによって提供されます。
システムがソフトウェアレンダリングおよび
llvmpipe
ドライバーを使用しているかどうかを確認するには、glxinfo コマンドを実行します。
$ glxinfo | grep renderer
OpenGL renderer string: Gallium 0.4 on llvmpipe (LVVM 3.3, 128 bits)
ソフトウェアレンダラーは完全に準拠した OpenGL 実装を提供しないため、一部のプログラムが複数のアプリケーション間で GLX 状態の一貫したビューを提供する X サーバーに依存する場合に、それらのプログラムは適切に機能しない可能性があることに注意してください。お使いのハードウェアをアップグレードするか、またはハードウェアアクセラレーションを完全にサポートする GPU およびドライバーを搭載したシステム上でこれらのプログラムを実行してください。