9.12. 事前にプロビジョニングされたノードのスケーリング
事前にプロビジョニングされたノードをスケーリングするプロセスは、16章オーバークラウドノードのスケーリング に記載する標準のスケーリング手順と類似しています。ただし、事前にプロビジョニングされたノードを新たに追加するプロセスは異なります。これは、事前にプロビジョニングされたノードが OpenStack Bare Metal (ironic) および OpenStack Compute (nova) からの標準の登録および管理プロセスを使用しないためです。
事前にプロビジョニングされたノードのスケールアップ
事前にプロビジョニングされたノードでオーバークラウドをスケールアップする際には、各ノードで director のノード数に対応するようにオーケストレーションエージェントを設定する必要があります。
オーバークラウドノードをスケールアップするには、以下の操作を実施します。
- 「事前にプロビジョニングされたノードの要件」の説明に従って、事前にプロビジョニングされたノードを新たに準備します。
- ノードをスケールアップします。詳細は、16章オーバークラウドノードのスケーリング を参照してください。
- デプロイメントコマンドを実行した後に、director が新しいノードリソースを作成して設定を開始するまで待ちます。
事前にプロビジョニングされたノードのスケールダウン
事前にプロビジョニングされたノードを持つオーバークラウドをスケールダウンするには、16章オーバークラウドノードのスケーリング に記載するスケールダウン手順に従います。
スケールダウン操作では、OSP でプロビジョニングされたノードと事前にプロビジョニングされたノードの両方にホスト名を使用できます。OSP プロビジョニングされたノードに UUID を使用することもできます。ただし、事前にプロビジョニングされたノードには UUID がないため、常にホスト名を使用します。ホスト名または UUID 値を openstack overcloud node delete
コマンドに渡します。
手順
削除するノードの名前を特定します。
$ openstack stack resource list overcloud -n5 --filter type=OS::TripleO::ComputeDeployedServerServer
対応するノード名を
stack_name
列からopenstack overcloud node delete
コマンドに渡します。$ openstack overcloud node delete --stack <overcloud> <stack>
-
<overcloud>
は、オーバークラウドスタックの名前または UUID に置き換えてください。 -
<stack_name>
を削除するノードの名前に置き換えます。openstack overcloud node delete
コマンドに複数のノード名を含めることができます。
-
openstack overcloud node delete
コマンドが完全に終了したことを確認します。$ openstack stack list
削除の操作が完了すると、
オーバークラウド
スタックのステータスはUPDATE_COMPLETE
と表示されます。
スタックからオーバークラウドノードを削除したら、それらのノードの電源をオフにします。標準のデプロイメントでは、director のベアメタルサービスがこの機能を制御します。ただし、事前にプロビジョニングされたノードでは、これらのノードを手動でシャットダウンするか、物理システムごとに電源管理制御を使用する必要があります。スタックからノードを削除した後にノードの電源をオフにしないと、稼動状態が続き、オーバークラウド環境の一部として再接続されてしまう可能性があります。
削除したノードの電源をオフにした後に、それらのノードをベースオペレーティングシステムの設定に再プロビジョニングし、意図せずにオーバークラウドに加わらないようにします。
オーバークラウドから以前に削除したノードは、再プロビジョニングしてベースオペレーティングシステムを新規インストールするまでは、再利用しないようにしてください。スケールダウンのプロセスでは、オーバークラウドスタックからノードを削除するだけで、パッケージはアンインストールされません。
事前にプロビジョニングされたオーバークラウドの削除
事前にプロビジョニングされたノードを使用するオーバークラウド全体を削除するには、「オーバークラウドの削除」 で標準のオーバークラウド削除手順を参照してください。オーバークラウドを削除した後に、全ノードの電源をオフにしてからベースオペレーティングシステムの設定に再プロビジョニングします。
オーバークラウドから以前に削除したノードは、再プロビジョニングしてベースオペレーティングシステムを新規インストールするまでは、再利用しないようにしてください。削除のプロセスでは、オーバークラウドスタックを削除するだけで、パッケージはアンインストールされません。