37.3. IdM クライアントの AD ユーザーのデフォルト信頼ビューの属性を ID ビューでオーバーライドする。
Active Directory (AD) ユーザーのデフォルト信頼ビューから、いくつかの POSIX 属性をオーバーライドすることもできます。たとえば、ある特定の IdM クライアントで AD ユーザーに異なる GID を与える必要がある場合があります。ID ビューを使用して、AD ユーザーのデフォルト信頼ビューの値をオーバーライドし、単一のホストにそれを適用することができます。この手順では、client1.idm.example.com IdM クライアントの ad_user@ad.example.com AD ユーザーの GID を 732001337 に設定する方法を説明します。
前提条件
- IdM クライアントシステムへの root アクセス権がある。
-
必要な権限を持つユーザー (例:
adminユーザー) としてログインしている。
手順
IdM サーバーで ID ビューを作成します。たとえば、example_for_client1 という名前の ID ビューを作成するには、次のコマンドを実行します。
$ ipa idview-add example_for_client1 --------------------------- Added ID View "example_for_client1" --------------------------- ID View Name: example_for_client1IdM サーバーで、example_for_client1 ID ビューにユーザーオーバーライドを追加します。ユーザーの GID をオーバーライドするには、以下を実行します。
-
ipa idoverrideuser-addコマンドを入力します。 - ID ビューの名前を追加します。
- ユーザー名 (アンカーとも呼ばれます) を追加します。
-
--gidnumber=オプションを追加します。
$ ipa idoverrideuser-add example_for_client1 ad_user@ad.example.com --gidnumber=732001337 ----------------------------- Added User ID override "ad_user@ad.example.com" ----------------------------- Anchor to override: ad_user@ad.example.com GID: 732001337-
IdM サーバーで、
example_for_client1をclient1.idm.example.comIdM クライアントに適用します。$ ipa idview-apply example_for_client1 --hosts=client1.idm.example.com ----------------------------- Applied ID View "example_for_client1" ----------------------------- hosts: client1.idm.example.com --------------------------------------------- Number of hosts the ID View was applied to: 1 ---------------------------------------------注記ipa idview-applyコマンドでは、--hostgroupsオプションも使用できます。このオプションは、ID ビューを、指定のホストグループに所属するホストに適用しますが、ホストグループ自体との関連付けは行いません。代わりに、--hostgroupsオプションは、指定されたホストグループのメンバーを拡張して、各メンバーに--hostsオプションを個別に適用します。つまり、今後ホストがホストグループに追加されても、ID ビューは新しいホストには適用されません。
IdM クライアントで、
client1.idm.example.comIdM クライアントの SSSD キャッシュから、ad_user@ad.example.comユーザーのエントリーをクリアします。これにより、古いデータが削除され、新しいオーバーライド値が適用されるようになります。# sssctl cache-expire -u ad_user@ad.example.com
検証
ad_user@ad.example.com としてクライアントシステムに
SSH接続します。# ssh ad_user@ad.example.com@client1.idm.example.comクライアントシステムで、
ad_user@ad.example.comユーザーの情報を取得し、GID に新しい値が反映されていることを確認します。[ad_user@ad.example.com@client1 ~]$ id ad_user@ad.example.com uid=702801456(ad_user@ad.example.com) gid=732001337(admins2) groups=732001337(admins2),702800513(domain users@ad.example.com)