15.11. TLS 終端 HTTPS ロードバランサーの作成
以下の手順で、Transport Layer Security (TLS) を介してインターネットからアクセス可能な TLS 終端 HTTPS ロードバランサーを作成し、暗号化されていない HTTP プロトコルを通じてリクエストをバックエンドサーバーに分散する方法を説明します。
前提条件
- TCP ポート 80 でセキュアではない HTTP アプリケーションをホストするバックエンドサーバーが含まれるプライベートサブネット
- インターネットからアクセス可能な共有外部 (パブリック) サブネット
TLS 公開鍵の暗号化が以下のように設定されている。
- ロードバランサーの仮想 IP アドレス (例: www.example.com) に割り当てられた DNS 名用に、TLS 証明書、鍵、および中間証明書チェーンが外部認証局 (CA) から取得される。
- 証明書、鍵、および中間証明書チェーンが、現在のディレクトリー内の個別ファイルに保存される。
- 鍵および証明書は PEM 形式でエンコードされる。
- 鍵はパスフレーズで暗号化されない。
- 中間証明書チェーンには PEM 形式でエンコードされた複数の証明書が含まれ、チェーンを形成する。
- Key Manager サービス (barbican) を使用するように Load-balancing サービス (octavia) が設定されている。詳しい情報は、『 Manage Secrets with OpenStack Key Manager』 を参照してください。
手順
鍵 (
server.key
)、証明書 (server.crt
)、および中間証明書チェーン (ca-chain.crt
) を 1 つの PKCS12 ファイル (server.p12
) に組み合わせます。注記丸かっこ内の値は例として示しています。これらの例を実際のサイトに適した値に置き換えてください。
$ openssl pkcs12 -export -inkey server.key -in server.crt -certfile ca-chain.crt -passout pass: -out server.p12
Key Manager サービスを使用して、PKCS12 ファイルのシークレットリソース (
tls_secret1
) を作成します。$ openstack secret store --name='tls_secret1' -t 'application/octet-stream' -e 'base64' --payload="$(base64 < server.p12)"
パブリックサブネット (
public-subnet
) にロードバランサー (lb1
) を作成します。$ openstack loadbalancer create --name lb1 --vip-subnet-id public-subnet
次のステップに進むためには、作成したロードバランサー (
lb1
) がアクティブでオンライン状態でなければなりません。ロードバランサーの応答が
ACTIVE
およびONLINE
のステータスになるまで、openstack loadbalancer show
コマンドを実行します。(複数回このコマンドを実行しなければならない場合があります。)$ openstack loadbalancer show lb1
TERMINATED_HTTPS リスナー (
listener1
) を作成し、リスナーのデフォルト TLS コンテナーとしてシークレットリソースを参照します。$ openstack loadbalancer listener create --protocol-port 443 --protocol TERMINATED_HTTPS --name listener1 --default-tls-container=$(openstack secret list | awk '/ tls_secret1 / {print $2}') lb1
プール (
pool1
) を作成し、リスナーのデフォルトプールに設定します。$ openstack loadbalancer pool create --name pool1 --lb-algorithm ROUND_ROBIN --listener listener1 --protocol HTTP
プライベートサブネット (
private-subnet
) 上のセキュアではない HTTP バックエンドサーバー (192.0.2.10
および192.0.2.11
)をプールに追加します。$ openstack loadbalancer member create --subnet-id private-subnet --address 192.0.2.10 --protocol-port 80 pool1 $ openstack loadbalancer member create --subnet-id private-subnet --address 192.0.2.11 --protocol-port 80 pool1