第3章 heat パラメーター
director テンプレートコレクション内の各 heat テンプレートには、parameters
セクションがあります。このセクションには、特定のオーバークラウドサービス固有の全パラメーターの定義が含まれます。これには、以下のパラメーターが含まれます。
-
overcloud.j2.yaml
: デフォルトのベースパラメーター -
roles_data.yaml
: コンポーザブルロールのデフォルトパラメーター -
deployment/*.yaml
: 特定のサービスのデフォルトパラメーター
これらのパラメーターの値は、以下の方法で変更することができます。
- カスタムパラメーター用の環境ファイルを作成します。
-
その環境ファイルの
parameter_defaults
セクションにカスタムのパラメーターを追加します。 -
openstack overcloud deploy
コマンドでその環境ファイルを指定します。
3.1. 例 1: タイムゾーンの設定
タイムゾーンを設定するための Heat テンプレート (puppet/services/time/timezone.yaml
) には TimeZone
パラメーターが含まれています。TimeZone
パラメーターの値を空白のままにすると、オーバークラウドはデフォルトで時刻を UTC
に設定します。
タイムゾーンのリストを取得するには、timedatectl list-timezones
コマンドを実行します。アジアのタイムゾーンを取得するコマンド例を以下に示します。
$ sudo timedatectl list-timezones|grep "Asia"
タイムゾーンを特定したら、環境ファイルの TimeZone パラメーターを設定します。以下に示す環境ファイルの例では、TimeZone の値を Asia/Tokyo に設定しています。
parameter_defaults: TimeZone: 'Asia/Tokyo'