11.8. 高可用性およびクラスター
SBD オプションの pcs
検証
以前は、pcs stonith sbd enable
コマンドで SBD を有効にし、無効な SBD オプションの値を指定すると、SBD の誤設定が発生していました。pcs
コマンドラインインターフェイスが更新され、SBD オプションの値が検証されるようになりました。無効な値の場合、pcs
はエラーを報告し、SBD 設定を作成または更新しません。
Jira:RHEL-38484[1]
Booth アービトレーターノードから Booth 設定を削除する機能
以前は、pcs booth destroy
コマンドを実行して Booth 設定を Booth アービトレーターノードから削除すると、エラーが発生していました。これは、コマンドがクラスターの一部ではないノードから Booth 設定を削除しなかったために発生していました。現在は、Booth アービトレーターから Booth 設定を削除できるようになりました。
Jira:RHEL-38486[1]
pcsd
プロセスが、必ず適切かつ迅速に停止するようになる
以前は、pcsd
プロセスの作成方法が原因で、プロセス終了時にデッドロックが生じることがありました。その場合、プロセスは systemd
タイムアウトの後にしか終了しませんでした。今回の修正により、プロセス作成方法が変更され、プロセス停止時にデッドロックが発生しなくなりました。そのため、pcsd
は短時間で正常に停止します。
Jira:RHEL-38478[1]
pcs
は、フェンシングレベルが 9 を超えるフェンシングトポロジーを検証しなくなる
Pacemaker クラスターリソースマネージャーは、9 より大きいフェンシングトポロジーレベルを無視します。9 より大きいレベルを設定すると、フェンシングが失敗する可能性があります。今回の更新により、pcs
コマンドラインインターフェイスで 1 から 9 の値のフェンシングレベルを設定できるようになり、フェンシングトポロジーが正しく機能するようになりました。
Jira:RHEL-38479[1]
スコア値を指定する構文が、すべての pcs constraint
コマンドで一貫するようになる
以前は、制約を作成するための一部のコマンドでは、スコア値を score=value
として指定する必要がありましたが、他のコマンドでは score=
を付けずに value
のみを指定する形式が求められていました。この更新により、pcs constraint location prefers
および pcs constraint location avoids
除くすべての制約コマンドは、score=value
の形式でスコア値を受け入れるようになりました。これらのコマンドでは、node=score
(score
はスコア値) が想定されます。
Jira:RHEL-34792[1]
CIB マネージャーのサイズが、非同期クライアントからの要求のたびに無制限に増大しなくなる
以前は、CIB マネージャーが非同期クライアントから要求を受信すると、少量のメモリーが漏洩していました。これにより、CIB マネージャープロセスのサイズが徐々に増大していました。今回の修正により、非同期クライアントの関連メモリーが解放され、CIB マネージャープロセスのサイズが無制限に増大しなくなりました。
期限切れのルールによるリソース制約が表示されなくなる
この更新前は、pcs constraint location config resources
コマンドの出力に、期限切れのルールを含むリソース制約が表示されていました。この更新により、--all
オプションを指定しない場合、コマンドは期限切れのルールを含む制約を表示しなくなりました。
障害復旧サイトのクラスターステータスが正しく表示されるようになる
この更新前は、障害復旧サイトを設定し、pcs dr status
コマンドを実行してローカルおよびリモートクラスターサイトのステータスを表示すると、クラスターステータスではなくエラーが表示されていました。この更新により、このコマンドを実行すると、ローカルサイトとリモートサイトのクラスターステータスが正しく表示されるようになります。
1 つのインスタンスのみで実行されているクローンリソースのステータスが正しく表示されるようになる
この更新前は、実行中のインスタンスが 1 つだけのクラスターリソースクローンのインスタンスのステータスをクエリーすると、pcs status query
コマンドがエラーメッセージを表示していました。この更新により、コマンドはリソースのステータスを適切に報告するようになりました。