8.14. デスクトップ
TigerVNC が削除される
TigerVNC リモートデスクトップソリューションは RHEL 10 で削除されました。
TigerVNC は、RHEL 9 で Virtual Network Computing (VNC) プロトコルのサーバーおよびクライアント実装を提供していました。
以下のパッケージが削除されました。
-
tigervnc
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tigervnc-icons
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tigervnc-license
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tigervnc-selinux
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tigervnc-server
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tigervnc-server-minimal
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tigervnc-server-module
Connections アプリケーション (gnome-connections
) は代替の VNC クライアントとして引き続きサポートされますが、VNC サーバーは提供されません。TigerVNC は、RDP プロトコルを使用するリモートデスクトップサーバーである gnome-remote-desktop
デーモンに置き換えられました。gnome-remote-desktop
は次のモードで使用できます。
- デスクトップ共有: Assisted Access を使用して物理セッションを共有します。
- ヘッドレスセッション: 単一ユーザーのリモートヘッドレスセッションを提供します。
- リモートログイン: グラフィカルなリモートログインを提供し、XDMCP の機能を置き換えます。
Jira:RHELDOCS-18388[1]
Totem メディアプレーヤーが RHEL 10 で削除される
RHEL 10 インストールには、デフォルトではメディアプレーヤーは含まれていません。Flathub など、利用可能なサードパーティーのメディアプレーヤーを使用できます。
Jira:RHELDOCS-18389[1]
RHEL 10 で power-profiles-daemon
が削除される
GNOME で電源モード設定を提供していた power-profiles-daemon
パッケージは、RHEL 10 では削除されました。RHEL 10 では、Tuned デーモンを使用して電源プロファイルを管理できます。
tuned-ppd
パッケージは、power-profiles-daemon
のドロップイン代替品を提供し、これにより、power-profiles-daemon
API を使用する GNOME デスクトップおよびアプリケーションでの使用が可能となります。また、これを使用して、/etc/tuned/ppd.conf
設定ファイルを通じて、power-saver
、balanced
、performance
の 3 つの基本的な電力プロファイルをオーバーライドすることもできます。カスタマイズされたプロファイルを使用する場合は、設定ファイルを編集し、カスタムプロファイルを 3 つの基本的な power-profiles-daemon
プロファイル名にマップできます。
Jira:RHELDOCS-18390[1]
gedit
が RHEL 10 で削除される
Red Hat Enterprise Linux のデフォルトのグラフィカルテキストエディターである gedit
は、RHEL 10 で削除されました。代わりに、GNOME Text Editor を使用できます。
Jira:RHELDOCS-19148[1]
RHEL 10 では Tweaks が RHEL パッケージとして利用できなくなる
Tweaks デスクトップアプリケーションの代わりに、以前は Tweaks にのみ存在した多くのオプションを含むように拡張されたデフォルトの GNOME 設定アプリを使用できます。
Jira:RHELDOCS-19125[1]
RHEL 10 では Qt5 ライブラリーが削除される
Qt5 ライブラリーは、新しい機能とより優れたサポートを備えた Qt6 ライブラリーに置き換えられました。
詳細は、Porting to Qt 6 を参照してください。
Jira:RHELDOCS-19132[1]
RHEL 10 では WebKitGTK が削除される
RHEL 10 では、WebKitGTK Web ブラウザーエンジンが削除されます。その結果、WebKitGTK に依存するアプリケーションを構築できなくなります。Mozilla Firefox 以外のデスクトップアプリケーションでは、Web コンテンツを表示できなくなりました。RHEL 10 では代替の Web ブラウザーエンジンは提供されていません。
Jira:RHELDOCS-19170[1]
RHEL 10 では Evolution が削除される
Evolution は、統合されたメール、カレンダー、連絡先管理、および通信機能を提供する GNOME アプリケーションです。RHEL 10 ではアプリケーションとそのプラグインが削除されるFlathub などのサードパーティーソースで代替品を見つけることができます。
File
メニューの Back up Evolution data
項目を使用して、Evolution データを Evolution 内で直接バックアップできます。
Jira:RHELDOCS-19146[1]
RHEL 10 では Festival がサポートされない
RHEL 10 では Festival 音声合成のサポートが削除されたため、Festival バイナリー、ライブラリー、および Speech Dispatcher のプラグインも削除されます。
代わりに、Espeak NG スピーチシンセサイザーを使用できます。
Jira:RHELDOCS-19138[1]
Eye of GNOME が削除される
Eye of GNOME (eog
) イメージビューアーアプリケーションは RHEL 10 で削除されました。
代わりに、Loupe アプリケーションを使用できます。
Jira:RHELDOCS-19134[1]
Cheese が削除される
RHEL 10 では、Cheese カメラアプリケーションが削除されます。
代わりに、スナップショットアプリケーションを使用できます。
Jira:RHELDOCS-19136[1]
Devhelp が削除される
RHEL 10 では、API ドキュメントの参照と検索のためのグラフィカル開発者ツールである Devhelp が削除されました。特定のアップストリームプロジェクトで API ドキュメントをオンラインで見つけることができるようになりました。
Jira:RHELDOCS-19153[1]
GTK 3 ベースの gtkmm
が削除される
gtkmm
は、GTK グラフィカルツールキット用の C++ インターフェイスです。RHEL 10 では、GTK 3 をベースにした gtkmm
バージョンが、そのすべての依存関係とともに削除されました。RHEL 10 で gtkmm
にアクセスするには、GTK 4 に基づく gtkmm
バージョンに移行します。
Jira:RHELDOCS-19142[1]
RHEL 10 では LibreOffice が削除される
RHEL 10 では LibreOffice RPM パッケージが削除されました。LibreOffice は、RHEL 7、8、および 9 のライフサイクル全体を通じて引き続き完全にサポートされます。
Red Hat は、RPM パッケージの代わりに、The Document Foundation が提供する次のいずれかのソースから LibreOffice をインストールすることを推奨します。
Flathub リポジトリーの公式 Flatpak パッケージ: link:https://flathub.org/apps/org.libreoffice.LibreOffice。公式 RPM パッケージ: link:https://www.libreoffice.org/download/download-libreoffice/。
Jira:RHELDOCS-19152[1]
RHEL 10 では GNOME Terminal が削除される
RHEL 10 では、GNOME Terminal は Ptyxis に置き換えられました。
Ptyxis は、Podman や Toolbx などのコンテナーシステムに対する透過的なサポートと、ユーザープロファイルに対する堅牢なサポートを提供するコンテナー指向のターミナルです。
Jira:RHELDOCS-19155[1]
RHEL 10 では Inkscape ベクターグラフィックエディターが削除される
RHEL 10 インストールにはベクターグラフィックエディターは含まれていません。Flathub などで利用可能なサードパーティーのベクターグラフィックエディターを使用できます。
Jira:RHELDOCS-19150[1]
GNOME Classic セッションがデフォルトのインストールから削除される
GNOME Classic セッションが必要な場合は、手動でインストールしてください。
gnome-classic-session
パッケージをインストールします。dnf install gnome-classic-session
# dnf install gnome-classic-session
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 現在のセッションからログアウトします。
- ログイン画面 (GDM) で、ユーザー名の横にある歯車アイコンをクリックします。
- セッションリストから "GNOME Classic" を選択します。
- 通常どおりログインします。
Evince が RHEL 10 で削除される
GNOME デスクトップのドキュメントビューアーである Evince は、RHEL 10 で削除されました。代わりに Papers アプリケーションを使用できます。Papers は、Gtk 4 に移植された Evince のフォークであり、PDF ドキュメント内の署名のリスト表示などの新機能の追加をより迅速に進めることを目指しています。Papers は安定性を向上させるために部分的に Rust で書かれています。
Jira:RHELDOCS-19140[1]