第7章 テクノロジープレビュー機能
ここでは、Red Hat Enterprise Linux 10 で利用可能なテクノロジープレビューのリストを提示します。
テクノロジープレビュー機能に対する Red Hat のサポート範囲の詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
7.1. セキュリティー リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
システム全体の耐量子計算機暗号が、テクノロジープレビューとして crypto-policies-pq-preview
を通じて利用可能になる
新しい crypto-policies-pq-preview
パッケージに含まれる TEST-PQ
サブポリシーにより、システム全体の耐量子計算機暗号 (PQC) がテクノロジープレビューとして提供されます。TEST-PQ
サブポリシーに切り替えてシステムを再起動することで、PQC を有効化できます。次に例を示します。
update-crypto-policies --set DEFAULT:TEST-PQ reboot
# update-crypto-policies --set DEFAULT:TEST-PQ
# reboot
RHEL 10 のすべての PQC アルゴリズムは、テクノロジープレビュー機能として提供されることに注意してください。耐量子計算機暗号がテクノロジープレビュー状態を終えるときに、パッケージおよびシステム全体の暗号化ポリシー名が変更される可能性があります。詳細は、Red Hat Blog の記事 Post-quantum cryptography in Red Hat Enterprise Linux 10 を参照してください。
RHEL 10 の liboqs
、oqsprovider
、nss
、openssh
、および gnutls
パッケージにより、PQC がテクノロジープレビューとして提供される
RHEL 10.0 の liboqs
、oqsprovider
、nss
、openssh
、および gnutls
パッケージにより、耐量子計算機暗号 (PQC) がテクノロジープレビューとして提供されます。PQC アルゴリズムを有効にするには、crypto-policies-pq-preview
パッケージをインストールし、TEST-PQ
暗号化サブポリシーを適用します。
詳細は、アーティクル記事 Interoperability of RHEL 10 post-quantum cryptography (Red Hat ナレッジベース) を参照してください。
Jira:RHEL-65426、Jira:RHEL-65422、Jira:RHEL-58245、Jira:RHEL-58246
RHEL の暗号化された DNS がテクノロジープレビューとして利用可能になる
暗号化された DNS を有効にすると、DNS-over-TLS (DoT) を使用する DNS 通信を保護できます。暗号化された DNS (eDNS) は、セキュアでないプロトコルにフォールバックすることなく、すべての DNS トラフィックをエンドツーエンドで暗号化し、ゼロトラストアーキテクチャー (ZTA) の原則に準拠します。
eDNS を使用して新規インストールを実行するには、カーネルコマンドラインを使用して DoT 対応 DNS サーバーを指定します。これにより、インストールプロセス中、起動時、およびインストールされたシステム上で暗号化された DNS がアクティブになります。カスタム CA 証明書バンドルが必要な場合は、キックスタートファイルの %certificate
セクションを使用してのみインストールできます。現在、カスタム CA バンドルはキックスタートインストールを通じてのみインストールできます。
既存のシステムで、eDNS のローカル DNS リゾルバー (unbound) を管理する新しい DNS プラグイン dnsconfd
を使用するように NetworkManager を設定します。カーネル引数を追加して、初期ブートプロセス用に eDNS を設定し、必要に応じてカスタム CA バンドルをインストールします。
さらに、Identity Management (IdM) のデプロイメントでは、統合 DNS サーバーが DoT をサポートしているため、暗号化された DNS も使用できます。
詳細は、暗号化された DNS を使用したシステム DNS トラフィックの保護 を参照してください。
Jira:RHELDOCS-20058[1]、Jira:RHEL-67912