19.4. ディスクレスクライアントのエクスポートしたファイルシステムの設定


環境にリモートディスクレスシステムを設定する一環として、ディスクレスクライアント用にエクスポートしたファイルシステムを設定する必要があります。

前提条件

手順

  1. /etc/exports ディレクトリーにルートディレクトリーを追加して、ルートディレクトリーをエクスポートするようにネットワークファイルシステム (NFS) サーバーを設定します。手順の詳細は、NFS サーバーのデプロイ を参照してください。
  2. 完全にディスクレスのクライアントに対応できるように、Red Hat Enterprise Linux の完全なバージョンをルートディレクトリーにインストールします。これを行うには、新しいベースシステムをインストールするか、既存のインストールのクローンを作成します。

    • exported-root-directory をエクスポートしたファイルシステムへのパスに置き換えて、エクスポートした場所に Red Hat Enterprise Linux をインストールします。

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      # yum install @Base kernel dracut-network nfs-utils --installroot=exported-root-directory --releasever=/

      releasever オプションを / に設定すると、releasever がホスト (/) システムから検出されます。

    • rsync ユーティリティーを使用して、実行中のシステムと同期します。

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      # rsync -a -e ssh --exclude='/proc/' --exclude='/sys/' example.com:/ exported-root-directory
      • example.com は、rsync ユーティリティーで同期する実行中のシステムのホスト名に置き換えます。
      • exported-root-directory を、エクスポートしたファイルシステムへのパスに置き換えます。

        このオプションには、実行中の別のシステムが必要です。これは、このコマンドでサーバーにクローンを作成します。

  3. ファイルシステムをディスクレスクライアントで使用する前に、エクスポートの準備が完了しているファイルシステムを設定します。

    1. ディスクレスクライアントがサポートするカーネル (vmlinuz-_kernel-version_pass:attributes) を tftp ブートディレクトリーにコピーします。

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      # cp /exported-root-directory/boot/vmlinuz-kernel-version /var/lib/tftpboot/pxelinux/
    2. initramfs-kernel-version.img ファイルをローカルに作成し、NFS をサポートするエクスポートされたルートディレクトリーに移動します。

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      # dracut --add nfs initramfs-kernel-version.img kernel-version

      以下に例を示します。

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      # dracut --add nfs /exports/root/boot/initramfs-5.14.0-202.el9.x86_64.img 5.14.0-202.el9.x86_64

      現在実行中のカーネルバージョンを使用し、既存のイメージを上書きして initrd を作成する例を以下に示します。

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      # dracut -f --add nfs "boot/initramfs-$(uname -r).img" "$(uname -r)"
    3. initrd のファイル権限を 0644 に変更します。

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      # chmod 0644 /exported-root-directory/boot/initramfs-kernel-version.img
      警告

      initrd のファイル権限を変更しないと、pxelinux.0 ブートローダーが "file not found" エラーを表示して失敗します。

    4. 作成された initramfs-kernel-version.img ファイルを tftp ブートディレクトリーにコピーします。

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      # cp /exported-root-directory/boot/initramfs-kernel-version.img /var/lib/tftpboot/pxelinux/
    5. /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg/default ファイルに次の設定を追加して、initrd とカーネルを使用するためのデフォルトのブート設定を編集します。

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      default menu.c32
      prompt 0
      menu title PXE Boot Menu
      ontimeout rhel8-over-nfsv4.2
      timeout 120
      label rhel8-over-nfsv4.2
        menu label Install diskless rhel8{} nfsv4.2{}
        kernel $vmlinuz
        append initrd=$initramfs root=nfs4:$nfsserv:/:vers=4.2,rw rw panic=60 ipv6.disable=1 console=tty0 console=ttyS0,115200n8
      label rhel8-over-nfsv3
        menu label Install diskless rhel8{} nfsv3{}
        kernel $vmlinuz
        append initrd=$initramfs root=nfs:$nfsserv:$nfsroot:vers=3,rw rw panic=60 ipv6.disable=1 console=tty0 console=ttyS0,115200n8

    この設定は、ディスクレスクライアントのルートに、/exported-root-directory エクスポートファイルシステムを読み取り/書き込み形式でマウントするように指示します。

    1. オプション: /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg/default ファイルを次の設定で編集して、ファイルシステムを read-only 形式でマウントします。

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      default rhel8
      
      label rhel8
        kernel vmlinuz-kernel-version
        append initrd=initramfs-kernel-version.img root=nfs:server-ip:/exported-root-directory ro
    2. NFS サーバーを再起動します。

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      # systemctl restart nfs-server.service

これで、NFS 共有をディスクレスクライアントにエクスポートできるようになりました。これらのクライアントは、Preboot Execution Environment (PXE) 経由でネットワーク経由で起動できます。

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