15.2. Boom Boot Manager を使用した別のバージョンへのアップグレード
Boom Boot Manager を使用して、Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステムのアップグレードを実行します。
前提条件
- 最新バージョンの Red Hat Enterprise Linux を実行している。
-
最新バージョンの
boom-boot
パッケージ (バージョン boom-0.9、理想的には boom-1.3-2. 以降) がインストールされている。 - スナップショットに使用できる十分な領域がある。元のインストールのサイズに基づいてサイズを推定します。マウントされているすべての論理ボリュームをリストします。
-
leapp
パッケージがインストールされている。 - ソフトウェアリポジトリーが有効になっている。
-
スナップショットボリュームがアクティブ化されている。アクティブでない場合、
boom
コマンドが失敗します。
追加のブートエントリーに /usr または /var が含まれる場合があります。
手順
root 論理ボリュームのスナップショットを作成します。
root ファイルシステムがシンプロビジョニングを使用する場合は、シンスナップショットを作成します。
# lvcreate -s rhel/root -kn -n root_snapshot_before_changes
ここでは、以下のようになります。
-
-s
はスナップショットを作成します。 -
rhel/root
はファイルシステムを論理ボリュームにコピーします。 -n
root_snapshot_before_changes はスナップショットの名前を示します。シンスナップショットを作成している間は、スナップショットのサイズを定義することができません。スナップショットは、シンプールから割り当てられます。
-
root ファイルシステムがシックプロビジョニングを使用する場合は、シックスナップショットを作成します。
# lvcreate -s rhel/root -n root_snapshot_before_changes -L 25g
ここでは、以下のようになります。
-
-s
はスナップショットを作成します。 -
rhel/root
はファイルシステムを論理ボリュームにコピーします。 -
-n
root_snapshot_before_changes はスナップショットの名前を示します。 -L
25g はスナップショットのサイズです。元のインストールのサイズに基づいてサイズを推定します。シックスナップショットを作成する際は、アップグレード中にすべての変更を保持できるスナップショットサイズを定義します。
重要作成されたスナップショットには、追加のシステム変更は含まれません。
-
プロファイルを作成します。
# boom profile create --from-host --uname-pattern el8
元のブートイメージのバックアップコピーを使用して、元のシステムのスナップショットブートエントリーを作成します。
# boom create --backup --title "Root LV snapshot before changes" --rootlv rhel/root_snapshot_before_changes
ここでは、以下のようになります。
-
--title
Root LV snapshot before changes は、システム起動時にブートエントリーリストに表示されるブートエントリーの名前です。 -
--rootlv
は、新しいブートエントリーに対応する root 論理ボリュームです。 - 前の手順を完了すると、アップグレード前の元のシステムにアクセスできるブートエントリーが作成されます。
-
Leapp ユーティリティーを使用して Red Hat Enterprise Linux 8 にアップグレードします。
# leapp upgrade
-
Leapp upgrade
コマンドのレポートで表示されたブロッカーを確認して解決します。
-
アップグレードされたブートエントリーで再起動します。
# leapp upgrade --reboot
- GRUB ブート画面から Red Hat Enterprise Linux Upgrade Initramfs エントリーを選択します。
Leapp
ユーティリティーがアップグレードブートエントリーを作成します。上記のコマンドを実行してアップグレードブートエントリーで再起動し、Red Hat Enterprise Linux 8 へのインプレースアップグレードの実行に進みます。この reboot 引数は、アップグレードプロセス後に自動システムの再起動を開始します。再起動中に GRUB 画面が表示されます。注記GRUB ブート画面の Snapshots サブメニューは、Red Hat Enterprise Linux 8 では使用できません。
検証手順
- アップグレードを続行し、新しい Red Hat Enterprise Linux 8 RPM パッケージをインストールします。アップグレードが完了すると、システムが自動的に再起動します。GRUB 画面に、使用可能なオペレーティングシステムのアップグレードされたバージョンと古いバージョンが表示されます。アップグレードされたシステムバージョンがデフォルトの選択です。
- ブートエントリー Root LV snapshot before changes が GRUB メニューにあるかどうかを確認します。存在する場合、アップグレード前のオペレーティングシステムの状態に即座にアクセスできます。