第13章 スワップの使用
スワップ領域を使用して、非アクティブなプロセスとデータに一時的なストレージを提供し、物理メモリーがいっぱいになった場合に発生するメモリー不足エラーを防ぎます。スワップ領域は物理メモリーの拡張として機能し、物理メモリーが使い果たされた場合でもシステムがスムーズに動作し続けることを可能にします。スワップ領域を使用するとシステムのパフォーマンスが低下する可能性があるため、スワップ領域を利用する前に物理メモリーの使用を最適化するほうが望ましい場合があることに注意してください。
13.1. スワップ領域の概要
Linux の スワップ領域 は、物理メモリー (RAM) が不足すると使用されます。システムに多くのメモリーリソースが必要で、RAM が不足すると、メモリーの非アクティブなページがスワップ領域に移動します。スワップ領域は、RAM が少ないマシンで役に立ちますが、RAM の代わりに使用しないようにしてください。
スワップ領域はハードドライブにあり、そのアクセス速度は物理メモリーに比べると遅くなります。スワップ領域の設定は、専用のスワップパーティション (推奨)、スワップファイル、またはスワップパーティションとスワップファイルの組み合せが考えられます。
過去数年、推奨されるスワップ領域のサイズは、システムの RAM サイズに比例して増加していました。しかし、最近のシステムには通常、数百ギガバイトの RAM が含まれます。結果として、推奨されるスワップ領域は、システムのメモリーではなく、システムメモリーのワークロードの機能とみなされます。