第5章 コンテナーイメージのソースの設定
すべてのオーバークラウドサービスがコンテナー化されます。したがって、オーバークラウドには必要なコンテナーイメージを含むレジストリーへのアクセスが必要となります。本章では、Red Hat OpenStack Platform 向けのコンテナーイメージを使用するためのレジストリーおよびオーバークラウドの設定の準備方法について説明します。
- 本ガイドには、オーバークラウドを設定してレジストリーを使用するさまざまなユースケースを記載しています。その方法についての説明は、「レジストリーメソッド」を参照してください。
- イメージを準備するコマンドの使用方法をよく理解しておくことを推奨します。詳しくは、「コンテナーイメージの準備コマンドの使用方法」を参照してください。
- コンテナーイメージのソースを準備する最も一般的な方法で作業を開始するには、「ローカルレジストリーとしてアンダークラウドを使用する方法」を参照してください。
5.1. レジストリーメソッド
Red Hat OpenStack Platform では、以下のレジストリータイプがサポートされています。
- リモートレジストリー
-
オーバークラウドは、
registry.redhat.io
から直接コンテナーイメージをプルします。これは、初期設定を生成するための最も簡単な方法です。ただし、それぞれのオーバークラウドノードが Red Hat Container Catalog から各イメージを直接プルするので、ネットワークの輻輳が生じてデプロイメントが遅くなる可能性があります。また、Red Hat Container Catalog にアクセスするためのインターネットアクセスが全オーバークラウドノードに必要です。 - ローカルレジストリー
-
アンダークラウドは、
docker-distribution
サービスを使用してレジストリーとして機能します。これにより、director はregistry.redhat.io
からプルしたイメージを同期し、それをdocker-distribution
レジストリーにプッシュすることができます。オーバークラウドを作成する際に、オーバークラウドはアンダークラウドのdocker-distribution
レジストリーからコンテナーイメージをプルします。この方法では、内部にレジストリーを保管することが可能なので、デプロイメントを迅速化してネットワークの輻輳を軽減することができます。ただし、アンダークラウドは基本的なレジストリーとしてのみ機能し、コンテナーイメージのライフサイクル管理は限定されます。
docker-distribution
サービスは、docker
とは別に動作します。docker
は、イメージを docker-distribution
レジストリーにプッシュおよびプルするのに使用されますが、イメージをオーバークラウドに提供することはありません。オーバークラウドが docker-distribution
レジストリーからイメージをプルします。
- Satellite Server
- Red Hat Satellite 6 サーバーを介して、コンテナーイメージの全アプリケーションライフサイクルを管理し、イメージを公開します。オーバークラウドは、Satellite サーバーからイメージをプルします。この方法は、Red Hat OpenStack Platform コンテナーを保管、管理、デプロイするためのエンタープライズ級のソリューションを提供します。
上記のリストから方法を選択し、レジストリー情報の設定を続けます。
マルチアーキテクチャークラウドの構築では、ローカルレジストリーのオプションはサポートされません。