第9章 プール
9.1. 仮想マシンプールについて
仮想マシンプールは、すべて同じテンプレートからクローン作成した仮想マシンのグループです。グループ内のいずれのユーザーも、プール内の仮想マシンをオンデマンドで使用することができます。仮想マシンプールにより、管理者は、一般化された仮想マシンのセットをユーザー向けに迅速に設定することができます。
ユーザーは、仮想マシンプールから仮想マシンを取得することによって、そのプールにアクセスします。ユーザーがプールから仮想マシンを取得すると、プール内に利用可能な仮想マシンがある場合には、その中の 1 つが提供されます。その仮想マシンには、プールのベースとなっているテンプレートと同じオペレーティングシステムと設定が適用されますが、ユーザーが仮想マシンを取得する度に同じ仮想マシンは割り当てられません。仮想マシンプールの設定によっては、ユーザーが同じ仮想マシンプールから複数の仮想マシンを取得することも可能です。
デフォルトでは仮想マシンプールはステートレスであるため、再起動後には仮想マシンのデータおよび変更した設定は維持されませんが、プールをステートフルに設定することができ、この場合には、以前のユーザーが加えた変更が維持されます。ただし、仮想マシンプールから取得した仮想マシンのコンソールオプションをユーザーが設定すると、それらのオプションはその仮想マシンプールでそのユーザーのデフォルトオプションとして設定されます。
管理ポータルからアクセスした場合には、プールから取得した仮想マシンはステートレスではありません。これは、管理者が必要に応じてディスクに変更を書き込むことができるようにする必要があるためです。
原則として、プール内の仮想マシンはユーザーが取得した時点で起動し、ユーザーが使用を終了した時点でシャットダウンされますが、仮想マシンプールには、事前起動済みの仮想マシンを用意することもできます。事前起動済みの仮想マシンは、Up のステータスで維持され、ユーザーが取得するまではアイドル状態となります。これによりユーザーは、その仮想マシンを即時に使用開始することができますが、これらの仮想マシンは、アイドル時にもシステムリソースを消費します。