6.3. チケット委譲のブラウザー設定の削除 (6.2 からのアップグレード)


Kerberos 認証の設定の一環として、プリンシパルには ticket granting ticket (TGT) が割り当てられます。プリンシパルが Kerberos ドメイン内のサービスまたはアプリケーションに接続を試行するたびに、サービスはアクティブな TGT があるかを確認し、そのプリンシパルがサービスにアクセスするために TGT から独自のサービス固有のチケットを要求します。
以前の Identity Management バージョンでは、IdM Web UI (およびその他の Kerberos 対応 Web アプリケーション) へのアクセスに使用する Web ブラウザーを設定するには、TGT 委譲を IdM サーバーに転送する必要がありました。これには、delegation-uris パラメーターを Firefox の about:config 設定に追加する必要がありました。
network.negotiate-auth.delegation-uris .example.com
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、Identity Management はユーザー向けの Kerberos サービスをプロキシー (S4U2Proxy) に使用するため、この追加の委譲手順は必要ありません。

既存の設定済みブラウザーの更新

Identity Management の Web UI を使用するように設定されているブラウザーでは、 delegation-uris 設定は、ipa-server-3.0.0 または ipa-client-3.0.0 にアップグレードしてから消去できます。

delegation-uris 設定の変更後に、ブラウザーを再起動する必要はありません。

新規ブラウザー設定用の configure.jar の更新

ブラウザーの設定は configure.jar ファイルに定義されます。この JAR ファイルはサーバーのインストール時に生成され、IdM の更新時に他のファイルと一緒に更新されません。IdM サーバーをアップグレードしても、設定済みのブラウザーには不必要な delegation-uris パラメーターが設定されたままになります。ただし、configure.jar ファイルは更新できます。

configure.jarpreferences.html ファイルは、delegation-uris パラメーターを設定します。更新した preferences.html ファイルは configure.jar に追加してから、configure.jar を再署名し、IdM サーバーにデプロイし直すことができます。
注記
最初の IdM サーバーの configure.jar ファイルだけを更新します。これは、署名証明書が唯一含まれるマスターサーバーです。次に、更新したファイルを他のサーバーおよびレプリカに伝播します。
  1. 最初の IdM マスターサーバー (最初のインスタンス) でパッケージを更新します。これにより、configure.jar ファイルを含む 3.0 UI パッケージが作成されます。
  2. 既存の configure.jar ファイルをバックアップします。
    [root@ipaserver ~]# mv /usr/share/ipa/html/configure.jar /usr/share/ipa/html/configure.jar.old
  3. 一時作業ディレクトリーを作成します。
    [root@ipaserver ~]# mkdir /tmp/sign
  4. 更新した preferences.html ファイルを作業ディレクトリーにコピーします。
    [root@ipaserver ~]# cp /usr/share/ipa/html/preferences.html /tmp/sign
  5. signtool コマンド (NSS ユーティリティーの 1 つ) を使用して新しい preferences.html ファイルを追加し、configure.jar ファイルを再署名します。
    [root@ipaserver ~]# signtool -d /etc/httpd/alias -k Signing-Cert -Z /usr/share/ipa/html/configure.jar -e ".html" -p `cat /etc/httpd/alias/pwdfile.txt` /tmp/sign
    -e オプションは、ツールに対して、拡張子が .html のファイルのみに署名するように指示します。-Z オプションでは、新しい JAR ファイルを作成します。
  6. 再生成された configure.jar ファイルを、他の全 IdM サーバーおよびレプリカにコピーします。
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