34.6. マップの設定
マップを設定するとマップが作成されるだけでなく、キーによってマウントポイントに関連付けられ、ディレクトリーにアクセスした際に使用するマウントポイントが割り当てられます。IdM は、ダイレクトマップと間接マップの両方に対応します。
注記
異なるクライアントは別のマップセットを使用できます。マップセットはツリー構造を使用しているので、マップを場所の間で共有することはできません。
重要
Identity Management は autofs を設定または設定しません。これは個別に行う必要があります。Identity Management は、既存の autofs デプロイメントと動作します。
34.6.1. ダイレクトマップの設定
ダイレクトマップは、ファイルマウントポイントへの正確な場所、つまり完全パスを定義します。ローカルエントリーでは、ダイレクトマップは前に付けるフォワードスラッシュで特定されます。
--------------------------- /etc/auto.direct: /shared/man server.example.com:/shared/man
34.6.1.1. Web UI でのダイレクトマップの設定
- Policy タブをクリックします。
- Automount サブタブをクリックします。
- マップの追加先となる automount の場所の名前をクリックします。
- Automount Maps タブで Add をクリックして新規マップを作成します。
- ポップアップウィンドウで Direct ラジオボタンを選択し、新規マップの名前を入力します。
- Automount Keys タブで +Add をクリックしてマップの新規キーを作成します。
- マウントポイントを入力します。key では、実際のマウントポイントを key の名前で定義します。Info フィールドは、ディレクトリーのネットワークの場所と、使用する mount オプションを設定します。
34.6.1.2. コマンドラインでのダイレクトマップの設定
key では、実際のマウントポイントとオプションを key の名前で定義します。キーの形式に基づいて、マップはダイレクトまたは間接マップになります。
各場所は
auto.direct
アイテムと共に作成されます。最もシンプルな設定では、automount キーを既存のダイレクトマップエントリーに追加することでダイレクトマップを定義します。異なるダイレクトマップエントリーを作成することも可能です。
ダイレクトマップのキーを場所の
auto.direct
ファイルに追加します。--key
オプションはマウントポイントを特定し、--info
がディレクトリーのネットワークの場所と、使用する mount オプションを指定します。以下に例を示します。
$ ipa automountkey-add raleigh auto.direct --key=/share --info="ro,soft,ipaserver.example.com:/home/share" Key: /share Mount information: ro,soft,ipaserver.example.com:/home/share
Mount のオプションは、man ページ http://linux.die.net/man/8/mount で説明されています。
Solaris で、ldapclient コマンドを使用してダイレクトマップおよびキーを追加して、LDAP エントリーを直接追加します。
ldapclient -a serviceSearchDescriptor=auto_direct:automountMapName=auto.direct,cn=location,cn=automount,dc=example,dc=com?one
34.6.2. 間接マップの設定
間接マップは、基本的にマップの相対パスを指定するものです。親エントリーがすべての間接マップのベースディレクトリーを設定します。間接マップキーはサブディレクトリーを設定します。間接マップの場所がロードされたときに常に、キーがベースディレクトリーに追加されます。たとえば、ベースディレクトリーが
/docs
で、キーが man
の場合は、マップは /docs/man
になります。
34.6.2.1. Web UI での間接マップの設定
- Policy タブをクリックします。
- Automount サブタブをクリックします。
- マップの追加先となる automount の場所の名前をクリックします。
- Automount Maps タブで Add をクリックして新規マップを作成します。
- ポップアップウィンドウで Indirect ラジオボタンを選択し、以下の必要な間接マップの情報を入力します。
- 新規マップの名前
- マウントポイント。Mount フィールドでは、すべての間接マップキーに使用するベースディレクトリーを設定します。
- オプションで親マップ。デフォルトの親は
auto.master
ですが、使用する別のマップがある場合は、Parent Map フィールドでそれを指定できます。
34.6.2.2. コマンドラインでの間接マップの設定
ダイレクトマップと間接マップの主な違いは、間接キーの前にはフォワードスラッシュがないことです。
--------------------------- /etc/auto.share: man ipa.example.com:/docs/man ---------------------------
- automountmap-add-indirect コマンドを使用して、ベースエントリーを設定するための間接マップを作成します。
--mount
オプションでは、すべての間接マップキーに使用するベースディレクトリーを設定します。デフォルトの親エントリーはauto.master
ですが 、使用すべき別のマップが存在する場合は、--parentmap
オプションで指定できます。$ ipa automountmap-add-indirect location mapName --mount=directory [--parentmap=mapName]
以下に例を示します。$ ipa automountmap-add-indirect raleigh auto.share --mount=/share -------------------------------- Added automount map "auto.share" --------------------------------
- マウントする場所の間接キーを追加します。
$ ipa automountkey-add raleigh auto.share --key=docs --info="ipa.example.com:/export/docs" ------------------------- Added automount key "docs" ------------------------- Key: docs Mount information: ipa.example.com:/export/docs
- 設定を確認するには、automountlocation-tofiles で、その場所ファイルリストを確認します。
$ ipa automountlocation-tofiles raleigh /etc/auto.master: /- /etc/auto.direct /share /etc/auto.share --------------------------- /etc/auto.direct: --------------------------- /etc/auto.share: man ipa.example.com:/export/docs
Solaris では、ldapclient コマンドを使用して間接マップを追加し、LDAP エントリーを直接追加します。
ldapclient -a serviceSearchDescriptor=auto_share:automountMapName=auto.share,cn=location,cn=automount,dc=example,dc=com?one
34.6.3. 自動マウントマップのインポート
既存の自動マウントマップがある場合は、それを IdM 自動マウント設定にインポートすることができます。
ipa automountlocation-import location map_file [--continuous]
必要となる情報は、IdM 自動マウントの場所とマップファイルの完全パスおよびファイル名のみです。この
--continuous
オプションでは、automountlocation-import コマンドに対して、エラーが発生した場合でも、マップファイルを継続するように指示します。
以下に例を示します。
$ ipa automountlocation-import raleigh /etc/custom.map