検索

第6章 レプリケーショントポロジーの管理

download PDF
本章では、Identity Management(IdM) ドメイン内のサーバー間のレプリケーションを管理する方法を説明します。
注記
本章では、Red Hat Enterprise Linux 7.3 で導入された簡素化されたトポロジー管理について説明します。この手順で必要なドメインレベルは 1 です (7章ドメインレベルの表示と引き上げを参照)。
ドメインレベル 0 でのトポロジーの管理に関するドキュメントは、「レプリカおよびレプリカ合意の管理」 を参照してください。
初期レプリカのインストールとレプリケーションに関する基本情報は、4章Identity Management のレプリカのインストールとアンインストール を参照してください。

6.1. レプリカ合意、トポロジー接尾辞、およびトポロジーセグメントの説明

レプリカ合意

IdM サーバーに保存されているデータは、レプリカ合意に基づいて複製されます。2 台のサーバーでレプリカ合意が設定されている場合は、データを共有します。
レプリカ合意は常に双方向のものです。最初のレプリカからサーバーから別のレプリカにデータが複製されるだけでなく、別ののレプリカから最初のレプリカにもデータが複製されます。
注記
詳細は、「IdM レプリカの説明」 を参照してください。

トポロジー接尾辞

トポロジーの接尾辞は、レプリケートされるデータを保存します。IdM は、domainca の 2 種類のトポロジー接尾辞に対応します。それぞれの接尾辞は、個別のバックエンドである個別のレプリケーショントポロジーを表します。
レプリカ合意が設定されると、同じタイプのトポロジー接尾辞を 2 つの異なるサーバーに結合します。
domain 接尾辞: dc=example,dc=com
domain 接尾辞には、ドメイン関連のデータがすべて含まれています。
2 つのレプリカの domain 接尾辞間でレプリカ合意が設定されると、ユーザー、グループ、およびポリシーなどのディレクトリーデータが共有されます。
ca 接尾辞: o=ipaca
ca 接尾辞には、Certificate System コンポーネントのデータが含まれます。これは認証局 (CA) がインストールされているサーバーにのみ存在します。
2 つのレプリカの ca 接尾辞間でレプリカ合意が設定されると、証明書データが共有されます。

図6.1 トポロジー接尾辞

トポロジー接尾辞
新規レプリカのインストール時には、ipa-replica-install スクリプトが 2 つのサーバー間に初期トポロジーセグメントをセットアップします。

例6.1 トポロジー接尾辞の表示

ipa topologysuffix-find コマンドでトポロジー接尾辞のリストが表示されます。
$ ipa topologysuffix-find
---------------------------
2 topology suffixes matched
---------------------------
  Suffix name: ca
  Managed LDAP suffix DN: o=ipaca

  Suffix name: domain
  Managed LDAP suffix DN: dc=example,dc=com
----------------------------
Number of entries returned 2
----------------------------

トポロジーセグメント

2 つのレプリカの接尾辞間でレプリカ合意があると、接尾辞は topology segment を形成します。各トポロジーセグメントは、左ノード右ノード で設定されます。ノードは、レプリカ合意に参加しているサーバーを表します。
IdM のトポロジーセグメントは常に双方向です。各セグメントは、サーバー A からサーバー B、およびサーバー B からサーバー A への 2 つのレプリカ合意を表します。そのため、データは両方の方向でレプリケートされます。

図6.2 トポロジーセグメント

トポロジーセグメント

例6.2 トポロジーセグメントの表示

ipa topologysegment-find コマンドで、domain または CA 接尾辞に設定されたトポロジーセグメントが表示されます。たとえば、ドメイン接尾辞の場合は、以下のようになります。
$ ipa topologysegment-find
Suffix name: domain
-----------------
1 segment matched
-----------------
  Segment name: server1.example.com-to-server2.example.com
  Left node: server1.example.com
  Right node: server2.example.com
  Connectivity: both
----------------------------
Number of entries returned 1
----------------------------
この例では、ドメイン関連のデータのみが server1.example.comserver1.example.com の 2 つのサーバー間で複製されます。
特定セグメントの詳細を表示するには、ipa topologysegment-show コマンドを使用します。
$ ipa topologysegment-show
Suffix name: domain
Segment name: server1.example.com-to-server2.example.com
  Segment name: server1.example.com-to-server2.example.com
  Left node: server1.example.com
  Right node: server2.example.com
  Connectivity: both
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.