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第11章 ユーザーアカウントの管理

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本章では、ユーザーアカウントの一般的な管理および設定を説明します。

11.1. ユーザーホームディレクトリーの設定

すべてのユーザーにホームディレクトリーが設定されていることが推奨されます。ユーザーのホームディレクトリー用のデフォルトの場所は /home/ ディレクトリーにあります。たとえば、IdM は、user_login ログインを持つユーザーに /home/user_login にホームディレクトリーが設定されていることを想定しています。
注記
ipa config-mod コマンドを使用すると、ユーザーのホームディレクトリーのデフォルトの想定される場所を変更できます。
IdM は、ユーザーにホームディレクトリーを自動的に作成しません。ただし、ユーザーのログイン時に自動的にホームディレクトリーを作成する PAM ホームディレクトリーモジュールを設定できます。または、NFS 共有および automount ユーティリティーを使用して、ホームディレクトリーを手動で追加できます。

11.1.1. PAM ホームディレクトリーモジュールを使用したホームディレクトリーの自動マウント

サポートされる PAM ホームディレクトリーモジュール

PAM ホームディレクトリーモジュールを設定して、IdM ドメインにログインする際に、ユーザーのホームディレクトリーを自動的に作成するには、以下の PAM モジュールのいずれかを使用します。
  • pam_oddjob_mkhomedir
  • pam_mkhomedir
IdM は最初に pam_oddjob_mkhomedir の使用を試行します。このモジュールがインストールされていない場合は、IdM は代わりに pam_mkhomedir の使用を試行します。
注記
新規ユーザー用のホームディレクトリーの NFS 共有での自動作成はサポートされていません。

PAM ホームディレクトリーモジュールの設定

PAM ホームディレクトリーモジュールを有効にすると、ローカルに影響します。そのため、必要な各クライアントおよびサーバーでモジュールを個別に有効にする必要があります。
サーバーまたはクライアントのインストール時にモジュールを設定するには、マシンのインストール時に ipa-server-install または ipa-client-install ユーティリティーで --mkhomedir オプションを使用します。
すでにインストールされているサーバーまたはクライアントにモジュールを設定するには、authconfig ユーティリティーを使用します。以下に例を示します。
# authconfig --enablemkhomedir --update
authconfig を使用してホームディレクトリーを作成する方法は、System-Level Authentication Guideを参照してください。

11.1.2. ホームディレクトリーの手動マウント

NFS ファイルサーバーを使用して、IdM ドメインのすべてのマシンで利用可能な /home/ ディレクトリーを提供してから、automount ユーティリティーを使用して IdM マシンにディレクトリーをマウントすることができます。

NFS 使用時の潜在的な問題

NFS を使用すると、パフォーマンスやセキュリティーに悪影響を与える可能性があります。たとえば、NFS を使用することで、NFS ユーザーへの root アクセス付与によるセキュリティーの問題、/home ツリー全体を読み込む際のパフォーマンスの問題、ホームディレクトリーにリモートサーバーを使用する際のネットワークパフォーマンスの問題などが発生する可能性があります。
これらの問題の影響を減らすには、以下のガイドラインに従うことを推奨します。
  • automount を使用して、ユーザーがログインした時のみ、ユーザーのホームディレクトリーのみをマウントします。/home/ ツリー全体を読み込む時に使用しないでください。
  • 限定的なパーミッションを割り当てたリモートユーザーを使用してホームディレクトリーを作成し、そのユーザーとして IdM サーバーに共有をマウントします。IdM サーバーは httpd プロセスとして実行されるため、sudo または同様のプログラムを使用して IdM サーバーへの限定的なパーミッションを許可し、NFS サーバーにホームディレクトリーを作成できます。

NFS およびautomountを使用したホームディレクトリーの設定

NFS 共有と automount を使用して、ホームディレクトリーを別の場所から IdM サーバーに手動で追加するには、以下の手順を実施します。
  1. ユーザーディレクトリーマップ用に新しい場所を作成します。
    $ ipa automountlocation-add userdirs
    Location: userdirs
  2. 新しい場所の auto.direct ファイルに直接マッピングを追加します。auto.direct ファイルは、ipa-server-install ユーティリティーが自動作成する 自動マウント のマッピングです。以下の例では、マウントポイントは /share です。
    $ ipa automountkey-add userdirs auto.direct --key=/share --info="-ro,soft, server.example.com:/home/share"
    
    Key: /share
    Mount information: -ro,soft, server.example.com:/home/share
IdM で 自動マウント を使用する方法は、34章Automount の使用 を参照してください。
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