第17章 CPU 周波数を調整してエネルギー消費を最適化
必要な CPUfreq ガバナーをセットアップした後、利用可能な cpupower
コマンドを使用して、システムの CPU 速度を要件に応じて設定すると、システムの電力消費を最適化できます。
17.1. 対応している cpupower ツールコマンド
cpupower
ツールは、プロセッサーの省電力関連機能を調べ、調整するツールの集合です。
cpupower
ツールは、以下のコマンドに対応します。
idle-info
-
cpupower idle-info
コマンドを使用して、CPU アイドルドライバーで利用可能なアイドル状態と、そのほかの統計情報を表示します。詳細は、CPU Idle States を参照してください。 idle-set
-
cpupower idle-set
コマンドを root で実行して、CPU アイドル状態を有効または無効にします。特定の CPU アイドル状態を-d
を使用して無効にし、-e
を使用して有効にします。 frequency-info
-
cpupower frequency-info
コマンドを使用して、現在のcpufreq
ドライバーと、利用可能なcpufreq
ガバナーを表示します。詳細は、CPUfreq drivers、Core CPUfreq Governors、および Intel P-state CPUfreq governors を参照してください。 frequency-set
-
root で
cpupower frequency-set
コマンドを使用し、cpufreq
とガバナーを設定します。詳細は、Setting up CPUfreq governor を参照してください。 set
root で
cpupower set
コマンドを実行して、プロセッサーの省電力ポリシーを設定します。--perf-bias
オプションを使用すると、対応している Intel プロセッサーでソフトウェアを有効にして、最適なパフォーマンスと省電力のバランスを判断できます。割り当てる値は0
から15
まであり、0
はパフォーマンスを最適化し、15
は電力効率を最適化します。デフォルトでは、--perf-bias
はすべてのコアに適用されます。個々のコアにのみ適用するには、--cpu cpulist
を追加します。info
cpupower set
コマンドで有効にしたプロセッサー電源関連の設定およびハードウェア設定を表示します。たとえば、--perf-bias
を5
として割り当てるとします。# cpupower set --perf-bias 5 # cpupower info analyzing CPU 0: perf-bias: 5
monitor
cpupower monitor
コマンドを使用して、アイドル状態の統計情報と、CPU 要求を表示します。# cpupower monitor | Nehalem || Mperf ||Idle_Stats CPU| C3 | C6 | PC3 | PC6 || C0 | Cx | Freq || POLL | C1 | C1E | C3 | C6 | C7s | C8 | C9 | C10 0| 1.95| 55.12| 0.00| 0.00|| 4.21| 95.79| 3875|| 0.00| 0.68| 2.07| 3.39| 88.77| 0.00| 0.00| 0.00| 0.00 [...]
-l
オプションを使用すると、システムで利用可能なモニターのリストを表示し、-m
オプションを使用して、特定のモニターに関する情報を表示することができます。たとえば、Mperf
モニターに関連する情報を監視する場合は、root でcpupower monitor -m Mperf
コマンドを実行します。
関連情報
-
man ページの
cpupower(1)
、cpupower-idle-info(1)
、cpupower-idle-set(1)
、cpupower-frequency-set(1)
、cpupower-frequency-info(1)
、cpupower-set(1)
、cpupower-info(1)
、およびcpupower-monitor(1)