14.3. DVR に関する既知の問題および注意
注記
Red Hat OpenStack Platform 15 では、カーネルバージョンが kernel-3.10.0-514.1.1.el7
以降でない場合には、DVR は使用しないでください。
- DVR のサポートは、ML2 のコアプラグイン、Open vSwitch (OVS) のメカニズムドライバー、および OVN に制限されます。他のバックエンドはサポートされません。
- OVS および OVN DVR のデプロイメントの両方において、Red Hat OpenStack Platform Load-balancing サービス (octavia) のネットワークトラフィックは、コンピュートノードではなくコントローラーノードおよびネットワークノードを通過します。
- DVR が有効であっても、SNAT (送信元ネットワークアドレス変換) トラフィックは分散されません。SNAT は機能しますが、すべての送信/受信トラフィックは中央のコントローラーノードを経由する必要があります。
- DVR が有効化されている場合でも、IPv6 トラフィックは分散されません。IPv6 ルーティングは機能しますが、すべての送信/受信トラフィックは中央のコントローラーノードを経由する必要があります。広範囲に渡って IPv6 ルーティングを使用する場合、DVR を使用しないでください。
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DVR は、L3 HA を使用する場合にはサポートされません。Red Hat OpenStack Platform 16.1 director で DVR を使用すると、L3 HA は無効になります。つまり、ルーターはこれまでどおりネットワークノードでスケジューリングされ (また L3 エージェント間で負荷が共有され) ますが、エージェントの 1 つが機能しなくなると、このエージェントがホストするすべてのルーターも機能しなくなります。この影響を受けるのは SNAT トラフィックだけです。このような場合には、1 つのネットワークノードに障害が発生してもルーターが別のノードに再スケジュールされるように、
allow_automatic_l3agent_failover
機能を使用することが推奨されます。 - neutron DHCP エージェントが管理する DHCP サーバーは分散されず、コントローラーノードにデプロイされます。ルーティング設計 (集中型または DVR) にかかわらず、DHCP エージェントは高可用性構成でコントローラーノードにデプロイされます。
- Floating IP を使用する場合は、各コンピュートノードに 外部 ネットワーク上のインターフェースが 1 つ必要です。また、各コンピュートノードに追加の IP アドレスを 1 つ設定する必要があります。これは、外部ゲートウェイポートの実装と Floating IP ネットワークの名前空間が原因です。
- プロジェクトデータの分離において、VLAN、GRE、VXLAN のすべてがサポートされます。GRE または VXLAN を使用する場合は、L2 Population 機能を有効にする必要があります。Red Hat OpenStack Platform director は、インストール時に L2 Population を強制的に有効にします。