第7章 物理ネットワークへのインスタンスの接続
本章では、プロバイダーネットワークを使用して外部ネットワークに直接インスタンスを接続する方法について説明します。
7.1. OpenStack Networking トポロジーの概要
OpenStack Networking (neutron) には、さまざまなノード種別に分散される 2 種類のサービスがあります。
- Neutron サーバー: このサービスは、エンドユーザーとサービスが OpenStack Networking と対話するための API を提供する OpenStack Networking API サーバーを実行します。このサーバーは、下層のデータベースと統合して、テナントネットワーク、ルーター、ロードバランサーの詳細などを保管します。
Neutron エージェント: これらは、OpenStack Networking のネットワーク機能を実行するサービスです。
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neutron-dhcp-agent
: テナントプライベートネットワークの DHCP IP アドレスを管理します。 -
neutron-l3-agent
: テナントプライベートネットワーク、外部ネットワークなどの間のレイヤー 3 ルーティングを実行します。 -
neutron-lbaas-agent
: テナントにより作成された LBaaS ルーターをプロビジョニングします。
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コンピュートノード: このノードは、仮想マシン (別称: インスタンス) を実行するハイパーバイザーをホストします。コンピュートノードは、インスタンスに外部への接続を提供するために、ネットワークに有線で直接接続する必要があります。このノードは通常、
neutron-openvswitch-agent
などの L2 エージェントが実行される場所です。
7.1.1. サービスの配置
OpenStack Networking サービスは、同じ物理サーバーまたは別の専用サーバー (ロールによって名前が付けられる) で実行することができます。
- コントローラーノード: API サービスを実行するサーバー
- ネットワークノード: OpenStack Networking エージェントを実行するサーバー
- コンピュートノード: インスタンスをホストするハイパーバイザー
本章の以下の手順は、これらの 3 つのノード種別が含まれる環境に適用されます。お使いのデプロイメントで、同じ物理ノードがコントローラーノードとネットワークノードの両方の役割を果たしている場合には、そのサーバーで両ノードのセクションの手順を実行する必要があります。これは、3 つの全ノードにおいてコントローラーノードおよびネットワークノードサービスが HA で実行されている高可用性 (HA) 環境にも適用されます。そのため、3 つすべてのノードで、コントローラーノードおよびネットワークノードに該当するセクションの手順を実行する必要があります。