2.11. テナントとプロバイダーネットワーク
以下の図には、テナントとプロバイダーネットワークの種別の概要と、それらが OpenStack Networking トポロジー全体でどのように対話するかを図解しています。
2.11.1. テナントネットワーク
ユーザーは、プロジェクト内の接続のためにテナントネットワークを作成します。デフォルトではテナントネットワークは完全に分離され、他のプロジェクトとは共有されません。OpenStack Networking はさまざまな種別のテナントネットワークをサポートしています。
- フラット: 全インスタンスが同じネットワークに存在し、そのネットワークは、ホストと共有することも可能です。VLAN タグ付けやその他のネットワーク分離は行われません。
- VLAN: OpenStack Networking では、物理ネットワークにある VLAN に対応する VLAN ID (802.1Q タグ付け)を使用してユーザーが複数のプロバイダーネットワークまたはテナントネットワークを作成することができます。これにより、インスタンスは環境全体で相互に通信を行うことが可能になります。また、専用のサーバー、ファイアウォール、ロードバランサー、および同じレイヤー 2 上にあるその他のネットワークインフラストラクチャーと通信することもできます。
- VXLAN および GRE のトンネル: VXLAN および GRE は、ネットワークオーバーレイを使用して、インスタンス間のプライベートの通信をサポートします。OpenStack Networking ルーターは、トラフィックが GRE または VXLAN テナントネットワークの外部に通過できるようにするために必要です。また、ルーターは、直接接続されたテナントネットワークを外部ネットワーク (インターネットを含む) に接続するのにも必要とされ、Floating IP アドレスを使用して外部ネットワークから直接インスタンスに接続する機能を提供します。
注記
テナントネットワークの QoS ポリシーを設定することが可能です。詳細は、「10章Quality of Service (QoS) ポリシーの設定」を参照してください。