2.7. ML2/OVN メカニズムドライバーの制約
以下の表は、ML2/OVN に関して Red Hat ではまだサポートしていない機能についてまとめています。Red Hat では、Red Hat OpenStack Platform の今後のリリースでこれらの機能をサポートする予定です。
また、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の本リリースでは、ML2/OVS メカニズムドライバーから ML2/OVN メカニズムドライバーへの移行はサポートされません。RHOSP の本リリースでは、OpenStack コミュニティーの移行ストラテジーはサポートされません。移行サポートは、RHOSP の今後のリリースで予定されています。
機能 | 備考 | 本機能の経緯 |
---|---|---|
断片化 / ジャンボフレーム | OVN では、まだ ICMP「fragmentation needed」パケットの送信はサポートされません。断片化が必要な大きな ICMP/UDPパケットは、ML2/OVN では ML2/OVS ドライバー実装のようには機能しません。TCP トラフィックは、最大セグメントサイズ (MSS) クランプにより処理されます。 | Bug 1547074 (ovn-network) Bug 1702331 (Core ovn) |
ポート転送 | OVN ではポート転送はサポートされません。 | |
セキュリティーグループロギング API | ML2/OVN では、セキュリティーグループイベント (インスタンスが制限された操作の実行やリモートサーバーの制限されたポートへのアクセスを試みるケース) を記録するログファイルを利用することはできません。 | |
エンドツーエンドの暗号化 | Red Hat は ML2/OVN サービス間のエンドツーエンドの TLS/SSL 暗号化をテストしておらず、まだサポートしていません。 | |
QoS DSCP | ML2/OVN では、Quality of Service(QoS)Differentiated Services Code Point(DSCP)タグ付けおよび送信帯域幅の制限はサポートされません。OVN C コアに統合されていますが、これらの機能は ML2/OVN メカニズムドライバーに統合され、完全にテストされていません。 | https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1546996 https://specs.openstack.org/openstack/neutron-specs/specs/newton/ml2-qos-with-dscp.html |
マルチキャスト | 統合ブリッジとして ML2/OVN を使用する場合には、マルチキャストトラフィックはブロードキャストトラフィックとして扱われます。 統合ブリッジは FLOW モードで動作します。したがって、IGMP スヌーピングを利用することはできません。この機能をサポートするためには、コア OVN が IGMP スヌーピングをサポートしている必要があります。 | |
SR-IOV | 現状、SR-IOV は neutron DHCP エージェントがデプロイされている場合に限り機能します。 | |
OVN と DHCP の組み合わせでのベアメタルマシンのプロビジョニング |
OVN 上の組み込み型 DHCP サーバーは、現状ベアメタルノードをプロビジョニングすることができません。プロビジョニングネットワーク用に、DHCP を提供することができません。iPXE のチェーンブートにはタグ付け (dnsmasq の | |
OVS_DPDK | OVS_DPDK は、現在 OVN ではサポートされていません。 |