13.5. ML2 OVS を使用した DVR のデプロイ
ML2/OVS デプロイメントにおいて分散仮想ルーター (DVR) をデプロイおよび管理するには、heat テンプレートおよび環境ファイルで設定を行います。
heat テンプレート設定を使用して、ホストのネットワーク設定をプロビジョニングします。
- 外部ネットワークトラフィック用の物理ネットワークに接続されたインターフェイスを、コンピュートノードとコントローラーノードの両方で設定する。
- コンピュートノードおよびコントローラーノードでブリッジを作成して、外部ネットワークトラフィック用のインターフェイスを設定する。
また、プロビジョニングしたネットワーク環境と一致するように Networking サービス (neutron) を設定し、トラフィックがブリッジを使用できるようにします。
デフォルト設定はガイドラインとしてのみ提供されます。ネットワークの分離、専用の NIC、またはその他の変動要因のためにカスタマイズが必要となる実稼働環境またはテスト環境で機能することは想定されていません。環境を設定する際には、L2 エージェントが使用するブリッジマッピング種別のパラメーターや、他のエージェント (例: L3 エージェント) の外部向けブリッジを正しく設定する必要があります。
以下の手順の例は、典型的なデフォルト値を使用して概念実証用の環境を設定する方法を示しています。
手順
ファイル overcloud-resource-registry.yaml またはデプロイメントコマンドに含まれる環境ファイルで、
OS::TripleO::Compute::Net::SoftwareConfig
の値がOS::TripleO::Controller::Net::SoftwareConfig
の値と一致していることを確認します。この値で、net_config_bridge.yaml 等のファイル名を指定します。指定したファイルで、外部ネットワーク用コンピュートノード L2 エージェントの Neutron ブリッジマッピングを設定します。ブリッジは、DVR デプロイメントのコンピュートノードがホストする Floating IP アドレスのトラフィックをルーティングします。通常、このファイル名の値はオーバークラウドのデプロイ時に使用するネットワーク環境ファイル (例: environments/net-multiple-nics.yaml) に含まれます。
注記コンピュートノードのネットワーク設定をカスタマイズする場合には、代わりにカスタムファイルに適切な設定を追加しなければならない場合があります。
コンピュートノードに外部ブリッジが設定されていることを確認します。
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openstack-tripleo-heat-templates
ディレクトリーのローカルコピーを作成します。 -
$ cd <local_copy_of_templates_directory
. process-templates
スクリプトを実行して、テンプレートを一時的な出力ディレクトリーにレンダリングします。$ ./tools/process-templates.py -r <roles_data.yaml> \ -n <network_data.yaml> -o <temporary_output_directory>
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<temporary_output_directory>/network/config
でロールファイルを確認します。
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必要な場合には、Compute テンプレートをカスタマイズして、コントローラーノードに一致する外部ブリッジを追加し、環境ファイルの
OS::TripleO::Compute::Net::SoftwareConfig
のカスタムファイルパスに名前を付けます。 オーバークラウドのデプロイ時に、environments/services/neutron-ovs-dvr.yaml ファイルをデプロイコマンドに追加します。
$ openstack overcloud deploy --templates -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/neutron-ovs-dvr.yaml
L3 HA が無効になっていることを確認します。
注記L3 エージェントの外部ブリッジ設定は Red Hat OpenStack Platform 13 で非推奨になり、Red Hat OpenStack Platform 15 で廃止されました。