16.2. ルーティング対応プロバイダーネットワークの概要
ネットワークサブネットとセグメント間の 1 対 1 の関連付けが原因で、ルーティング対応プロバイダーネットワークは他の種別のネットワークとは異なります。以前のバージョンでは、Red Hat OpenStack (RHOSP) Networking サービスはルーティング対応プロバイダーネットワークをサポートしていませんでした。Networking サービスでは、すべてのサブネットが同じセグメントに属するか、あるいはいずれのセグメントにも属さない必要があったためです。
ルーティング対応プロバイダーネットワークでは、仮想マシン (VM) インスタンスが利用可能な IP アドレスは、特定のコンピュートノードで利用可能なネットワークのセグメントによって異なります。Networking サービスのポートは、1 つのネットワークセグメントにのみ関連付けることができます。
従来のネットワーク設定と同様に、レイヤー 2 (スイッチング) は同じネットワークセグメント上のポート間のトラフィックの移動を処理し、レイヤー 3 (ルーティング) はセグメント間のトラフィックの移動を処理します。
Networking サービスは、セグメント間のレイヤー 3 サービスを提供しません。その代わりに、サブネットをルーティングするのに物理ネットワークインフラストラクチャーに依存します。したがって、従来のプロバイダーネットワークと同様に、Networking サービスおよび物理ネットワークインフラストラクチャーには、ルーティング対応プロバイダーネットワークの設定が含まれている必要があります。
Compute サービス (nova) スケジューラーはセグメントを認識しないため、それぞれのリーフ、ラックセグメント、または DCN エッジサイトを Compute サービスのホストアグリゲートまたはアベイラビリティーゾーンにマッピングする必要があります。
DHCP-metadata サービスが必要な場合は、それぞれのエッジサイトまたはネットワークセグメントにアベイラビリティーゾーンを定義し、ローカル DHCP エージェントがデプロイされるようにする必要があります。