19.5. カーネルモジュールの読み込み
一部の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 機能には、特定のカーネルモジュールを読み込む必要があります。たとえば、OVS ファイアウォールドライバーの場合、2 つの仮想マシンインスタンス間の GRE トンネリングをサポートするには、nf_conntrack_proto_gre
カーネルモジュールを読み込む必要があります。
特別な Orchestration サービス (heat) パラメーター ExtraKernelModules
を使用することで、GRE トンネリング等の機能に必要なカーネルモジュールについての設定情報が heat に保存されるようになります。この後、通常のモジュール管理時に、これらの必要なカーネルモジュールが読み込まれます。
手順
アンダークラウドホストに stack ユーザーとしてログインして、カスタム YAML 環境ファイルを作成します。
例
$ vi /home/stack/templates/my-modules-environment.yaml
ヒントheat は、テンプレート と呼ばれるプランのセットを使用して環境をインストールおよび設定します。カスタム環境ファイル を使用して、オーバークラウドの要素をカスタマイズすることができます。このファイルは、heat テンプレートをカスタマイズするための特別な種別のテンプレートです。
YAML 環境ファイルの
parameter_defaults
セクションで、ExtraKernelModules
を読み込むモジュールの名前に設定します。例
ComputeParameters: ExtraKernelModules: nf_conntrack_proto_gre: {} ControllerParameters: ExtraKernelModules: nf_conntrack_proto_gre: {}
コア heat テンプレート、環境ファイル、およびこの新しいカスタム環境ファイルを指定して、
openstack overcloud deploy
コマンドを実行します。重要後で実行される環境ファイルで定義されているパラメーターとリソースが優先されることになるため、環境ファイルの順序は重要となります。
例
$ openstack overcloud deploy --templates \ -e [your-environment-files] \ -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/my-modules-environment.yaml
検証
heat がモジュールを正しく読み込んでいれば、Compute ノードで
lsmod
コマンドを実行すると、出力が表示されるはずです。例
sudo lsmod | grep nf_conntrack_proto_gre
関連情報
- Advanced Overcloud Customization ガイドの Environment files
- Advanced Overcloud Customization ガイドの Including environment files in overcloud creation