第2章 AMQ Streams の使用


AMQ Streams は、パブリックおよびプライベートクラウドからデプロイメントを目的とするローカルデプロイメントまで、ディストリビューションに関係なくすべてのタイプの OpenShift クラスターで動作するよう設計されています。

AMQ Streams は Strimzi 0.18.x をベースとしています。ここでは、OpenShift 3.11 以降に AMQ Streams をデプロイする方法を説明します。

注記

本ガイドのコマンドを実行するには、クラスターユーザーに RBAC (ロールベースアクセス制御) および CRD を管理する権限を付与する必要があります。

2.1. AMQ Streams デプロイメントの準備

ここでは、AMQ Streams デプロイメントを準備する方法を説明します。

注記

本ガイドのコマンドを実行するには、クラスターユーザーに RBAC (ロールベースアクセス制御) および CRD を管理する権限を付与する必要があります。

2.1.1. デプロイメントの前提条件

AMQ Streams のデプロイする場合、以下を確認してください。

  • OpenShift 3.11 以降のクラスターが利用できること。

    AMQ Streams は AMQ Streams Strimzi 0.18.x をベースとしています。

  • oc コマンドラインツールがインストールされ、稼働中のクラスターに接続するように設定されていること。
注記

AMQ Streams は、OpenShift 固有の一部機能をサポートします。そのようなインテグレーションは OpenShift ユーザーに有用で、標準の OpenShift を使用した同等の実装はありません。

2.1.2. AMQ Streams リリースアーティファクト

AMQ Streams をインストールするには、AMQ Streams のダウンロードページ から amq-streams-<version>-ocp-install-examples.zip ファイルをダウンロードし、リリースアーティファクトを展開します。

AMQ Streams のリリースアーティファクトには、YAML ファイルが含まれています。これらのファイルは、AMQ Streams コンポーネントの OpenShift へのデプロイ、共通の操作の実行、および Kafka クラスターの設定に便利です。

oc コマンドラインツールを使用して、AMQ Streams と OpenShift クラスターにデプロイします。

注記

AMQ Streams コンテナーイメージは、Red Hat Ecosystem Catalog から使用することもできます。しかし、提供される YAML ファイルを使用して AMQ Streams をデプロイすることが推奨されます。

2.1.3. コンテナーイメージを独自のレジストリーにプッシュ

AMQ Streams のコンテナーイメージは Red Hat Ecosystem Catalog にあります。AMQ Streams によって提供されるインストール YAML ファイルは、直接 Red Hat Ecosystem Catalog からイメージをプルします。

Red Hat Ecosystem Catalog にアクセスできない場合や独自のコンテナーリポジトリーを使用する場合は以下を行います。

  1. リストにある すべての コンテナーイメージをプルします。
  2. 独自のレジストリーにプッシュします。
  3. インストール YAML ファイルのイメージ名を更新します。
注記

リリースに対してサポートされる各 Kafka バージョンには別のイメージがあります。

コンテナーイメージnamespace/リポジトリー説明

Kafka

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-25-rhel7:1.5.0
  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-24-rhel7:1.5.0

次を含む、Kafka を実行するための AMQ Streams イメージ。

  • Kafka Broker
  • Kafka Connect / S2I
  • Kafka Mirror Maker
  • ZooKeeper
  • TLS Sidecars

Operator

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-rhel7-operator:1.5.0

Operator を実行するための AMQ Streams イメージ。

  • Cluster Operator
  • Topic Operator
  • User Operator
  • Kafka Initializer

Kafka Bridge

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-bridge-rhel7:1.5.0

AMQ Streams Kafka Bridge を稼働するための AMQ Streams イメージ

2.1.4. AMQ Streams の管理者の指名

AMQ Streams では、デプロイメントの設定にカスタムリソースが提供されます。デフォルトでは、これらのリソースの表示、作成、編集、および削除権限は OpenShift クラスター管理者に限定されます。AMQ Streams には、このような権限を他のユーザーに割り当てするために使用する 2 つのクラスターロールがあります。

  • strimzi-view ロールを指定すると、ユーザーは AMQ Streams リソースを表示できます。
  • strimzi-admin ロールを指定すると、ユーザーは AMQ Streams リソースを作成、編集、または削除することもできます。

これらのロールをインストールすると、これらの権限が自動的にデフォルトの OpenShift クラスターロールに集約 (追加) されます。strimzi-viewview ロールに集約され、strimzi-adminedit および admin ロールに集約されます。このように集約することで、同様の権限がすでに持つユーザーに、上記のロールを割り当てる必要がなくなります。

以下の手順では、クラスター管理者でないユーザーが AMQ Streams リソースを管理できるようにする strimzi-admin ロールの割り当て方法を説明します。

システム管理者は、Cluster Operator のデプロイ後に AMQ Streams の管理者を指名できます。

前提条件

手順

  1. OpenShift で strimzi-view および strimzi-admin クラスターロールを作成します。

    oc apply -f install/strimzi-admin
  2. 必要な場合は、ユーザーに必要なアクセス権限を付与するロールを割り当てます。

    oc create clusterrolebinding strimzi-admin --clusterrole=strimzi-admin --user=user1 --user=user2

2.1.5. AMQ Streams のインストール方法

AMQ Streams を OpenShift にインストールする方法は 2 つあります。

インストール方法説明サポート対象バージョン

インストールアーティファクト (YAML ファイル)

AMQ Streams のダウンロードサイト から amq-streams-x.y.z-ocp-install-examples.zip ファイルをダウンロードします。次に、oc を使用して YAML インストールアーティファクトを OpenShift クラスターにデプロイします。最初に、Cluster Operator を install/cluster-operator から単一、複数、またはすべての namespace にデプロイします。

OpenShift 3.11 以上

OperatorHub

OperatorHub で AMQ Streams Operator を使用し、Cluster Operator を単一またはすべての namespace にデプロイします。

OpenShift 4.x のみ

柔軟性が重要な場合は、インストールアーティファクトによる方法を選択します。OpenShift 4 Web コンソールを使用して標準設定で AMQ Streams を OpenShift 4 にインストールする場合は、OperatorHub による方法を選択します。OperatorHub を使用すると、自動更新も利用できます。

どちらの方法でも、Cluster Operator は OpenShift クラスターにデプロイされ、提供される YAML サンプルファイルを使用して、Kafka クラスターから順に AMQ Streams の他のコンポーネントをデプロイする準備が整います。

AMQ Streams インストールアーティファクト

AMQ Streams インストールアーティファクトには、OpenShift にデプロイできるさまざまな YAML ファイルが含まれ、oc を使用して以下を含むカスタムリソースが作成されます。

  • デプロイメント
  • Custom Resource Definition (CRD)
  • ロールおよびロールバインディング
  • サービスアカウント

YAML インストールファイルは、Cluster Operator、Topic Operator、User Operator、および Strimzi Admin ロールに提供されます。

OperatorHub

OpenShift 4 では、Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用することにより、クラスター管理者はクラスター全体で実行されるすべての Operator やそれらの関連サービスをインストール、更新、および管理できます。OLM は、Kubernetes のネイティブアプリケーション (Operator) を効率的に自動化された拡張可能な方法で管理するために設計されたオープンソースツールキットの Operator Framework の一部です。

OperatorHub は OpenShift 4 Web コンソールの一部です。クラスター管理者はこれを使用して Operator を検出、インストール、およびアップグレードできます。Operator は OperatorHub からプルでき、単一の (プロジェクト) namespace またはすべての (プロジェクト) namespace への OpenShift クラスターにインストールできます。Operator は OLM で管理できます。エンジニアリングチームは OLM を使用して、独自に開発、テスト、および本番環境でソフトウェアを管理できます。

注記

OperatorHub は、バージョン 4 未満の OpenShift では使用できません。

AMQ Streams Operator

AMQ Streams Operator は OperatorHub からインストールできます。AMQ Streams Operator のインストール後、必要な CRD およびロールベースアクセス制御 (RBAC) リソースと共に Cluster Operator が OpenShift クラスターにデプロイされます。

その他のリソース

インストールアーティファクトを使用した AMQ Streams のインストール:

OperatorHub からの AMQ Streams のインストール:

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