36.2. REST を使用したローリングアップグレード
以下の手順では、REST プロトコルを使用して Red Hat JBoss Data Grid インストールをリモートグリッドとして使用する方法を簡単に説明します。この手順は、クライアントアプリケーションではなく、グリッドのローリングアップグレードに適用されます。
手順36.1 REST を使用したローリングアップグレードの実施
この手順では、ソースクラスターは、現在使用中の古いクラスターを指し、ターゲットクラスターはデータの宛先クラスターを指します。
ターゲットクラスターの設定
ソースクラスターとは別にターゲットクラスター (新規 JBoss Data Grid のノードで構成) を設定するには、別のネットワーク設定または別の JGroups クラスター名のいずれかを使用します。それぞれのキャッシュについては、以下の設定を考慮に入れてRestCacheStore
を設定します。- ホストおよびポートの値がソースクラスターを参照するようにする。
- パスの値がソースクラスターの REST エンドポイントを参照するようにする。
ターゲットクラスターの開始
ターゲットクラスターのノードを起動します。ソースクラスターではなく、ターゲットクラスターを参照するように各クライアントを設定します。最終的に、ターゲットクラスターはソースクラスターの代わりにすべての要求を処理します。次にターゲットクラスターはRestCacheStore
を使用してソースクラスターのデータをオンデマンドでレイジーにロードします。REST ローリングアップグレード時にはキーセットをダンプしない
REST ローリングアップグレードのユースケースは、recordKnownGlobalKeyset
操作を使用せずにすべてのデータをソースクラスターから取得することが意図されています。警告
REST ローリングアップグレードのrecordKnownGlobalKeyset
操作は起動しないでください。この操作を起動すると、データの破損が生じ、REST ローリングアップグレードは正常に完了しません。残りのデータの取得
ターゲットクラスターはソースクラスターから残りのデータすべてを取得する必要があります。これは、以下のように JMX または CLI を使用して実行されます。JMX の使用
すべてのキャッシュが移行されるように、rest
パラメーターをターゲットクラスターのRollingUpgradeManager
MBean に指定してsynchronizeData
操作を起動します。CLI の使用
すべてのキャッシュが移行されるようにupgrade --synchronize=rest
をターゲットクラスターで実行します。オプションで、--all
スイッチを使用して、クラスター内のすべてのキャッシュを同期します。
RestCacheStore の無効化
JMX または CLI のいずれかを使用して、以下のようにターゲットクラスターでRestCacheStore
を無効にします。JMX の使用
rest
パラメーターをターゲットクラスターのRollingUpgradeManager
MBean に指定してdisconnectSource
操作を起動します。CLI の使用
ターゲットクラスターでupgrade --disconnectsource=rest
コマンドを実行します。オプションで、--all
スイッチを使用して、クラスター内のすべてのキャッシュの接続を解除します。
結果
ターゲットクラスターへの移行は完了しました。ソースクラスターの使用を停止できます。