第5章 CLI コマンドでの LVM 管理
この章では、論理ボリュームを作成し、保守するために LVM CLI (Command Line Interface) コマンドで実行できる個別の管理タスクについてまとめています。
注記
クラスター化環境用に LVM ボリュームを作成または変更する場合、
clvmd デーモンが稼働していることを確認する必要があります。詳細は 「クラスター内での LVM ボリューム作成」 を参照してください。
5.1. CLI コマンドの使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
すべての LVM CLI コマンドには一般的な特性がいくつかあります。
コマンドライン引数でサイズが必要な場合は、単位を常に明示的に指定することができます。単位を指定しないと、デフォルト (通常 KB か MB) が使用されます。LVM CLI コマンドでは小数は使用できません。
コマンドライン引数内で単位を指定する場合、LVM は大文字/小文字を区別せず (例えば、M か m の指定は同じことです)、2 の累乗 (1024 の倍数) が使用されます。しかし、コマンド内で
--units 引数を指定する場合、小文字では単位が 1024 の倍数、大文字では 1000 の倍数であることを示します。
コマンドが、ボリュームグループ名または論理ボリューム名を引数として取る場合、完全なパス名はオプションとなります。ボリュームグループ
vg0 内の論理ボリューム lvol0 は vg0/lvol0 と指定できます。ボリュームグループの一覧が必要であるのに空のままの場合、すべてのボリュームグループの一覧が代用されます。論理ボリュームの一覧が必要な状態で、1つのボリュームグループだけ提示されている場合、そのボリュームグループ内のすべての論理ボリュームの一覧が代用されます。例えば、lvdisplay vg0 コマンドは、ボリュームグループ vg0 内の すべての論理ボリュームを表示します。
すべての LVM コマンドは
-v 引数を使用できるため、これを複数回入力して出力の詳細度を高くすることができます。例えば、次の例では lvcreate コマンドのデフォルト出力を示しています。
lvcreate -L 50MB new_vg
# lvcreate -L 50MB new_vg
Rounding up size to full physical extent 52.00 MB
Logical volume "lvol0" created
以下の例は、
-v 引数を使用した lvcreate コマンドの出力を示しています。
また、
-vv、-vvv、あるいは -vvvv の引数を使用して、コマンドの実行内容を徐々に詳しく表示することができます。-vvvv 引数は、現時点で最も詳細な情報を提供します。以下の例では、-vvvv 引数が指定された lvcreate コマンドの出力のうち最初の数行のみを示しています。
LVM CLI コマンドのいずれにも
--help 引数を付けると、そのコマンドのヘルプを表示することができます。
commandname --help
# commandname --help
コマンドの man ページを表示するには、
man コマンドを実行します。
man commandname
# man commandname
man lvm コマンドは、LVM に関する一般的なオンライン情報を提供します。
すべての LVM オブジェクトは、オブジェクトを作成した時に割り当てられる UUID によって、内部で参照されます。これは、例えばボリュームグループの一部である物理ボリューム
/dev/sdf を削除した後で、接続し直した際に、/dev/sdk となっていることが判明した場合などに役立ちます。LVM は物理ボリュームをそのデバイス名ではなく、UUID で識別するため、物理ボリュームを見つけることができます。物理ボリュームの作成時に物理ボリュームの UUID を指定する方法については、「物理ボリュームメタデータの復元」 をご覧ください。