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4.4.15.9. RAID デバイスの置き換え

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RAID は従来の LVM ミラーリングとは異なります。LVM ミラーリングでは、障害が発生したデバイスは削除する必要がありました。そうしないと、ミラー化論理ボリュームがハングしたためです。RAID アレイは、障害があるデバイスがあっても稼働し続けることができます。RAID1 以外の RAID タイプの場合、デバイスを削除することはレベルが下の RAID に変換することを意味します (たとえば、RAID6 から RAID5、または RAID4 または RAID5 から RAID0)。そのため、無条件に障害のあるデバイスを削除してから置き換えを行うのではなく、LVM により、lvconvert コマンドに --replace 引数を使用することで RAID ボリューム内のデバイスをワンステップで置き換えることができます。
lvconvert --replace の形式は、以下のとおりです。
lvconvert --replace dev_to_remove vg/lv [possible_replacements]
以下の例は、RAID1 論理ボリュームを作成した後に、そのボリューム内のデバイスを置き換えています。
# lvcreate --type raid1 -m2 -L 1G -n my_lv my_vg
  Logical volume "my_lv" created
# lvs -a -o name,copy_percent,devices my_vg
  LV               Copy%  Devices                                     
  my_lv            100.00 my_lv_rimage_0(0),my_lv_rimage_1(0),my_lv_rimage_2(0)
  [my_lv_rimage_0]        /dev/sdb1(1)                                
  [my_lv_rimage_1]        /dev/sdb2(1)                                
  [my_lv_rimage_2]        /dev/sdc1(1)                                
  [my_lv_rmeta_0]         /dev/sdb1(0)                                
  [my_lv_rmeta_1]         /dev/sdb2(0)                                
  [my_lv_rmeta_2]         /dev/sdc1(0)                                
# lvconvert --replace /dev/sdb2 my_vg/my_lv
# lvs -a -o name,copy_percent,devices my_vg
  LV               Copy%  Devices                                     
  my_lv             37.50 my_lv_rimage_0(0),my_lv_rimage_1(0),my_lv_rimage_2(0)
  [my_lv_rimage_0]        /dev/sdb1(1)                                
  [my_lv_rimage_1]        /dev/sdc2(1)                                
  [my_lv_rimage_2]        /dev/sdc1(1)                                
  [my_lv_rmeta_0]         /dev/sdb1(0)                                
  [my_lv_rmeta_1]         /dev/sdc2(0)                                
  [my_lv_rmeta_2]         /dev/sdc1(0)
以下の例は、RAID1 論理ボリュームを作成した後に、そのボリューム内のデバイスを置き換え、置き換えに使用する物理ボリュームを指定しています。
# lvcreate --type raid1 -m1 -L 100 -n my_lv my_vg
  Logical volume "my_lv" created
# lvs -a -o name,copy_percent,devices my_vg
  LV               Copy%  Devices
  my_lv            100.00 my_lv_rimage_0(0),my_lv_rimage_1(0)
  [my_lv_rimage_0]        /dev/sda1(1)
  [my_lv_rimage_1]        /dev/sdb1(1)
  [my_lv_rmeta_0]         /dev/sda1(0)
  [my_lv_rmeta_1]         /dev/sdb1(0)
# pvs
  PV          VG       Fmt  Attr PSize    PFree
  /dev/sda1   my_vg    lvm2 a--  1020.00m  916.00m
  /dev/sdb1   my_vg    lvm2 a--  1020.00m  916.00m
  /dev/sdc1   my_vg    lvm2 a--  1020.00m 1020.00m
  /dev/sdd1   my_vg    lvm2 a--  1020.00m 1020.00m
# lvconvert --replace /dev/sdb1 my_vg/my_lv /dev/sdd1
# lvs -a -o name,copy_percent,devices my_vg
  LV               Copy%  Devices
  my_lv             28.00 my_lv_rimage_0(0),my_lv_rimage_1(0)
  [my_lv_rimage_0]        /dev/sda1(1)
  [my_lv_rimage_1]        /dev/sdd1(1)
  [my_lv_rmeta_0]         /dev/sda1(0)
  [my_lv_rmeta_1]         /dev/sdd1(0)
1 度に 2 つ以上の RAID デバイスを置き換えるには、以下の例のように複数の replace 引数を指定します。
# lvcreate --type raid1 -m 2 -L 100 -n my_lv my_vg
  Logical volume "my_lv" created
# lvs -a -o name,copy_percent,devices my_vg
  LV               Copy%  Devices
  my_lv            100.00 my_lv_rimage_0(0),my_lv_rimage_1(0),my_lv_rimage_2(0)
  [my_lv_rimage_0]        /dev/sda1(1)
  [my_lv_rimage_1]        /dev/sdb1(1)
  [my_lv_rimage_2]        /dev/sdc1(1)
  [my_lv_rmeta_0]         /dev/sda1(0)
  [my_lv_rmeta_1]         /dev/sdb1(0)
  [my_lv_rmeta_2]         /dev/sdc1(0)
# lvconvert --replace /dev/sdb1 --replace /dev/sdc1 my_vg/my_lv
# lvs -a -o name,copy_percent,devices my_vg
  LV               Copy%  Devices
  my_lv             60.00 my_lv_rimage_0(0),my_lv_rimage_1(0),my_lv_rimage_2(0)
  [my_lv_rimage_0]        /dev/sda1(1)
  [my_lv_rimage_1]        /dev/sdd1(1)
  [my_lv_rimage_2]        /dev/sde1(1)
  [my_lv_rmeta_0]         /dev/sda1(0)
  [my_lv_rmeta_1]         /dev/sdd1(0)
  [my_lv_rmeta_2]         /dev/sde1(0)

注記

lvconvert --replace コマンドを使用して置き換えるドライブを指定する場合、置き換えるドライブはアレイ内ですでに使用されている予備のドライブ領域から割り当てないようにしてください。たとえば、lv_rimage_0lv_rimage_1 は同じ物理ボリューム上に存在させることができません。
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