30.5. nmcli を使用して、高いパケットドロップ率を減らすためにリングバッファーサイズを増やす


パケットドロップ率が原因でアプリケーションがデータの損失、タイムアウト、またはその他の問題を報告する場合は、イーサネットデバイスのリングバッファーのサイズを増やします。

受信リングバッファーは、デバイスドライバーとネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) の間で共有されます。カードは、送信 (TX) および受信 (RX) リングバッファーを割り当てます。名前が示すように、リングバッファーは循環バッファーであり、オーバーフローによって既存のデータが上書きされます。NIC からカーネルにデータを移動するには、ハードウェア割り込みと、SoftIRQ とも呼ばれるソフトウェア割り込みの 2 つの方法があります。

カーネルは RX リングバッファーを使用して、デバイスドライバーが着信パケットを処理できるようになるまで着信パケットを格納します。デバイスドライバーは、通常は SoftIRQ を使用して RX リングをドレインします。これにより、着信パケットは sk_buff または skb と呼ばれるカーネルデータ構造に配置され、カーネルを経由して関連するソケットを所有するアプリケーションまでの移動を開始します。

カーネルは TX リングバッファーを使用して、ネットワークに送信する必要がある発信パケットを保持します。これらのリングバッファーはスタックの一番下にあり、パケットドロップが発生する重要なポイントであり、ネットワークパフォーマンスに悪影響を及ぼします。

手順

  1. インターフェイスのパケットドロップ統計を表示します。

    # ethtool -S enp1s0
        ...
        rx_queue_0_drops: 97326
        rx_queue_1_drops: 63783
        ...

    コマンドの出力は、ネットワークカードとドライバーに依存することに注意してください。

    discard または drop カウンターの値が高い場合は、カーネルがパケットを処理できるよりも速く、使用可能なバッファーがいっぱいになることを示します。リングバッファーを増やすと、このような損失を回避できます。

  2. 最大リングバッファーサイズを表示します。

    # ethtool -g enp1s0
     Ring parameters for enp1s0:
     Pre-set maximums:
     RX:             4096
     RX Mini:        0
     RX Jumbo:       16320
     TX:             4096
     Current hardware settings:
     RX:             255
     RX Mini:        0
     RX Jumbo:       0
     TX:             255

    Pre-set maximums セクションの値が Current hardware settings セクションよりも高い場合は、次の手順で設定を変更できます。

  3. このインターフェイスを使用する NetworkManager 接続プロファイルを特定します。

    # nmcli connection show
    NAME                UUID                                  TYPE      DEVICE
    Example-Connection  a5eb6490-cc20-3668-81f8-0314a27f3f75  ethernet  enp1s0
  4. 接続プロファイルを更新し、リングバッファーを増やします。

    • RX リングバッファーを増やすには、次のように入力します。

      # nmcli connection modify Example-Connection ethtool.ring-rx 4096
    • TX リングバッファーを増やすには、次のように入力します。

      # nmcli connection modify Example-Connection ethtool.ring-tx 4096
  5. NetworkManager 接続をリロードします。

    # nmcli connection up Example-Connection
    重要

    NIC が使用するドライバーによっては、リングバッファーを変更すると、ネットワーク接続が短時間中断されることがあります。

関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.