26.4. nmtui を使用した静的ルートの設定
nmtui
アプリケーションは、NetworkManager 用のテキストベースのユーザーインターフェイスを提供します。nmtui
を使用して、グラフィカルインターフェイスを使用せずにホスト上で静的ルートを設定できます。
たとえば、以下の手順では 198.51.100.1
で実行しているゲートウェイを使用する 192.0.2.0/24
ネットワークに経路を追加します。これは、既存の接続プロファイルから到達可能です。
nmtui
で以下を行います。
- カーソルキーを使用してナビゲートします。
- ボタンを選択して Enter を押します。
- Space を使用してチェックボックスをオンまたはオフにします。
前提条件
- ネットワークが設定されている。
- 静的ルートのゲートウェイが、インターフェイスで直接到達できる。
- 物理コンソールにログインしている場合は、十分な権限を有している。それ以外の場合は、コマンドに root 権限が必要になります。
手順
nmtui
を開始します。# nmtui
- Edit a connection 選択し、Enter を押します。
- 宛先ネットワークへのネクストホップに到達できる接続プロファイルを選択し、Enter を押します。
- IPv4 ルートまたは IPv6 ルートに応じて、プロトコルの設定エリアの横にある Show ボタンを押します。
Routing の横にある Edit ボタンを押します。これにより、静的ルートを設定する新しいウィンドウが開きます。
Add ボタンを押して、次のように入力します。
- Classless Inter-Domain Routing (CIDR) 形式の接頭辞を含む宛先ネットワーク
- ネクストホップの IP アドレス
- 同じネットワークに複数のルートを追加し、効率によってルートに優先順位を付けたい場合のメトリック値
- 追加するルートごとに前の手順を繰り返し、この接続プロファイルを介して到達できます。
OK ボタンを押して、接続設定のウィンドウに戻ります。
図26.1 メトリックのない静的ルートの例
-
OK ボタンを押して
nmtui
メインメニューに戻ります。 - Activate a connection を選択し、Enter を押します。
編集した接続プロファイルを選択し、Enter キーを 2 回押して非アクティブ化し、再度アクティブ化します。
重要再アクティブ化する接続プロファイルを使用する SSH などのリモート接続で
nmtui
を実行する場合は、この手順をスキップしてください。この場合は、nmtui
で非アクティブ化すると、接続が切断されるため、再度アクティブ化することはできません。この問題を回避するには、上記のシナリオでnmcli connection <connection_profile> up
コマンドを使用して接続を再アクティブ化します。- Back ボタンを押してメインメニューに戻ります。
-
Quit を選択し、Enter キーを押して
nmtui
アプリケーションを閉じます。
検証
ルートがアクティブであることを確認します。
$ ip route ... 192.0.2.0/24 via 198.51.100.1 dev example proto static metric 100