15.2. CLI を使用した仮想マシンストレージプールの管理
CLI を使用して、ストレージプールの次の側面を管理し、仮想マシン (VM) にストレージを割り当てることができます。
- ストレージプール情報の表示
ストレージプールの作成
- ストレージプールの削除
15.2.1. CLI を使用したストレージプール情報の表示
CLI を使用して、ストレージプールに関する詳細の一部またはすべてが含まれるストレージプールのリストを表示できます。また、リスト表示されているストレージプールにフィルターをかけることもできます。
手順
virsh pool-list
コマンドを使用して、ストレージプール情報を表示します。# virsh pool-list --all --details Name State Autostart Persistent Capacity Allocation Available default running yes yes 48.97 GiB 23.93 GiB 25.03 GiB Downloads running yes yes 175.62 GiB 62.02 GiB 113.60 GiB RHEL-Storage-Pool running yes yes 214.62 GiB 93.02 GiB 168.60 GiB
関連情報
-
virsh pool-list --help
コマンド
15.2.2. CLI を使用したディレクトリーベースのストレージプールの作成
ディレクトリーベースのストレージプールは、マウントされている既存のファイルシステムのディレクトリーを基にしています。これは、たとえば、ファイルシステムの残りの領域を他の目的で使用する場合に役立ちます。virsh
ユーティリティーを使用して、ディレクトリーベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーがディレクトリーのストレージプールをサポートしていることを確認します。
# virsh pool-capabilities | grep "'dir' supported='yes'"
コマンドの出力が表示される場合には、ディレクトリープールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-as
コマンドを使用し、ディレクトリータイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、/guest_images ディレクトリーを使用するguest_images_dir
という名前のストレージプールを作成するには以下を実行します。# virsh pool-define-as guest_images_dir dir --target "/guest_images" Pool guest_images_dir defined
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Directory-based storage pool parameters を参照してください。
ストレージプールのターゲットパスの作成
virsh pool-build
コマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。# virsh pool-build guest_images_dir Pool guest_images_dir built # ls -la /guest_images total 8 drwx------. 2 root root 4096 May 31 19:38 . dr-xr-xr-x. 25 root root 4096 May 31 19:38 ..
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ----------------------------------------- default active yes guest_images_dir inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_dir Pool guest_images_dir started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_dir Pool guest_images_dir marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_dir Name: guest_images_dir UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
15.2.3. CLI を使用したディスクベースのストレージプールの作成
ディスクベースのストレージプールでは、プールはディスクパーティションに基づいています。これは、たとえば、ディスクパーティション全体を仮想マシン (VM) ストレージ専用にする場合に便利です。virsh
ユーティリティーを使用して、ディスクベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーがディスクベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
# virsh pool-capabilities | grep "'disk' supported='yes'"
コマンドの出力が表示される場合には、ディスクベースのプールはサポートの対象です。
ストレージプールのベースとなるデバイスを準備します。この目的のために、パーティション (
/dev/sdb1
など) または LVM ボリュームを優先します。ディスク全体またはブロックデバイス (/dev/sdb
など) への書き込みアクセスを仮想マシンに提供すると、その仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストでシステムエラーが発生する可能性があります。ただし、ストレージプールにブロックデバイス全体を使用する必要がある場合、Red Hat は、デバイス上の重要なパーティションを GRUB の
os-prober
機能から保護することを推奨します。これを行うには、/etc/default/grub
ファイルを編集して、次のいずれかの設定を適用します。os-prober
を無効にします。GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true
os-prober
が特定のパーティションを検出しないようにします。以下に例を示します。GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"
-
ストレージプールを作成する前に、選択したストレージデバイス上のデータをバックアップします。使用されている
libvirt
のバージョンに応じて、ディスクをストレージプール専用にすると、現在ディスクデバイスに格納されているすべてのデータが再フォーマットされて消去される可能性があります。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-as
コマンドを使用し、ディスクタイプのストレージプールを定義して作成します。次の例では、/dev/sdb デバイスを使用するguest_images_disk
という名前のストレージプールを作成します。# virsh pool-define-as guest_images_disk disk --source-format=gpt --source-dev=/dev/sdb --target /dev Pool guest_images_disk defined
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Disk-based storage pool parameters を参照してください。
ストレージプールのターゲットパスの作成
virsh pool-build
コマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。# virsh pool-build guest_images_disk Pool guest_images_disk built
注記ターゲットパスの構築は、ディスクベース、ファイルシステムベース、論理ストレージプールにのみ必要です。
libvirt
は、overwrite
オプションが指定されている場合を除き、ソースストレージデバイスのデータフォーマットが、選択したストレージプールタイプと異なることを検出すると、ビルドに失敗します。プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ----------------------------------------- default active yes guest_images_disk inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_disk Pool guest_images_disk started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_disk Pool guest_images_disk marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_disk Name: guest_images_disk UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
15.2.4. CLI を使用したファイルシステムベースのストレージプールの作成
マウントされていないファイルシステムにストレージプールを作成する場合は、ファイルシステムベースのストレージプールを使用します。このストレージプールは、指定のファイルシステムのマウントポイントを基にしています。virsh
ユーティリティーを使用すると、ファイルシステムベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーがファイルシステムベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
# virsh pool-capabilities | grep "'fs' supported='yes'"
コマンドの出力が表示される場合には、ファイルベースのストレージプールはサポートの対象です。
ストレージプールのベースとなるデバイスを準備します。この目的のために、パーティション (
/dev/sdb1
など) または LVM ボリュームを優先します。ディスク全体またはブロックデバイス (/dev/sdb
など) への書き込みアクセスを仮想マシンに提供すると、その仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストでシステムエラーが発生する可能性があります。ただし、ストレージプールにブロックデバイス全体を使用する必要がある場合、Red Hat は、デバイス上の重要なパーティションを GRUB の
os-prober
機能から保護することを推奨します。これを行うには、/etc/default/grub
ファイルを編集して、次のいずれかの設定を適用します。os-prober
を無効にします。GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true
os-prober
が特定のパーティションを検出しないようにします。以下に例を示します。GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-as
コマンドを使用し、ファイルシステムタイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、/dev/sdc1 パーティションを使用し、/guest_images ディレクトリーにマウントされるストレージプールにguest_images_fs
という名前を指定して作成するには以下を実行します。# virsh pool-define-as guest_images_fs fs --source-dev /dev/sdc1 --target /guest_images Pool guest_images_fs defined
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Filesystem-based storage pool parameters を参照してください。
ストレージプールのターゲットパスの定義
virsh pool-build
コマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。# virsh pool-build guest_images_fs Pool guest_images_fs built # ls -la /guest_images total 8 drwx------. 2 root root 4096 May 31 19:38 . dr-xr-xr-x. 25 root root 4096 May 31 19:38 ..
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ----------------------------------------- default active yes guest_images_fs inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_fs Pool guest_images_fs started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_fs Pool guest_images_fs marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_fs Name: guest_images_fs UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
ファイルシステムのターゲットパスに
lost+found
ディレクトリーがあることを確認します。これは、デバイスがマウントされていることを示しています。# mount | grep /guest_images /dev/sdc1 on /guest_images type ext4 (rw) # ls -la /guest_images total 24 drwxr-xr-x. 3 root root 4096 May 31 19:47 . dr-xr-xr-x. 25 root root 4096 May 31 19:38 .. drwx------. 2 root root 16384 May 31 14:18 lost+found
15.2.5. CLI を使用した iSCSI ベースのストレージプールの作成
iSCSI (Internet Small Computer Systems Interface) は、データストレージ施設をリンクするための IP ベースのストレージネットワーク標準です。iSCSI サーバーにストレージプールを置く場合は、virsh
ユーティリティーを使用して、iSCSI ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーが iSCSI ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
# virsh pool-capabilities | grep "'iscsi' supported='yes'"
コマンドの出力が表示される場合には、iSCSI ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-as
コマンドを使用し、iSCSI タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、server1.example.com
でiqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest
IQN を使用し、/dev/disk/by-path
パスにマウントされるストレージプールにguest_images_iscsi
という名前を指定して作成するには、以下を実行します。# virsh pool-define-as --name guest_images_iscsi --type iscsi --source-host server1.example.com --source-dev iqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest --target /dev/disk/by-path Pool guest_images_iscsi defined
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、iSCSI-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ----------------------------------------- default active yes guest_images_iscsi inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_iscsi Pool guest_images_iscsi started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_iscsi Pool guest_images_iscsi marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_iscsi Name: guest_images_iscsi UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
15.2.6. CLI を使用した LVM ベースのストレージプールの作成
LVM ボリュームグループに含まれるストレージプールが必要な場合は、virsh
ユーティリティーを使用して LVM ベースのストレージプールを作成できます。
推奨事項
LVM ベースのストレージプールを作成する前に、以下の点に注意してください。
- LVM ベースのストレージプールは、LVM の柔軟性を完全には提供しません。
-
libvirt
は、シン論理ボリュームに対応しますが、シンストレージプールの機能は提供しません。 LVM ベースのストレージプールは、ボリュームグループです。
virsh
ユーティリティーを使用してボリュームグループを作成できますが、この方法では、作成したボリュームグループには 1 つのデバイスしか作成できません。複数のデバイスを持つボリュームグループを作成する場合は、代わりに LVM ユーティリティーを使用します。詳細は、How to create a volume group in Linux with LVM を参照してください。ボリュームグループの詳細は、Red Hat Enterprise Linux Logical Volume Manager Administration Guide を参照してください。
-
LVM ベースのストレージプールには、完全なディスクパーティションが必要です。
virsh
コマンドを使用して新しいパーティションまたはデバイスをアクティブにすると、パーティションがフォーマットされ、すべてのデータが消去されます。この手順で説明しているように、ホストの既存のボリュームグループを使用している場合は、何も消去されません。
前提条件
ハイパーバイザーが LVM ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
# virsh pool-capabilities | grep "'logical' supported='yes'"
コマンドの出力が表示される場合には、LVM ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-as
コマンドを使用して、LVM タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、次のコマンドは、lvm_vg
ボリュームグループを使用し、/dev/lvm_vg
ディレクトリーにマウントされているguest_images_lvm
という名前のストレージプールを作成します。# virsh pool-define-as guest_images_lvm logical --source-name lvm_vg --target /dev/lvm_vg Pool guest_images_lvm defined
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、LVM-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ------------------------------------------- default active yes guest_images_lvm inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_lvm Pool guest_images_lvm started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_lvm Pool guest_images_lvm marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_lvm Name: guest_images_lvm UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
15.2.7. CLI を使用した NFS ベースのストレージプールの作成
ネットワークファイルシステム (NFS) サーバーにストレージプールを置く場合は、virsh
ユーティリティーを使用して、NFS ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーが NFS ベースのストレージプールに対応していることを確認します。
# virsh pool-capabilities | grep "<value>nfs</value>"
コマンドの出力が表示される場合には、NFS ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh
pool-define-as
コマンドを使用し、NFS タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、ターゲットディレクトリー/var/lib/libvirt/images/nfspool
を使用してサーバーディレクトリー/home/net_mount
にマウントされ、IP が111.222.111.222
の NFS サーバーを使用するストレージプールを、guest_images_netfs
という名前で作成するには、以下を実行します。# virsh pool-define-as --name guest_images_netfs --type netfs --source-host='111.222.111.222' --source-path='/home/net_mount' --source-format='nfs' --target='/var/lib/libvirt/images/nfspool'
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、NFS-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ----------------------------------------- default active yes guest_images_netfs inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_netfs Pool guest_images_netfs started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_netfs Pool guest_images_netfs marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_netfs Name: guest_images_netfs UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
15.2.8. CLI で vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールを作成する手順
Small Computer System Interface (SCSI) デバイスにストレージプールを設定する場合は、ホストが、仮想ホストバスアダプター (vHBA) を使用して SCSI デバイスに接続できる必要があります。その後、virsh
ユーティリティーを使用して、SCSI ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーが SCSI ベースのストレージプールをサポートしている。
# virsh pool-capabilities | grep "'scsi' supported='yes'"
コマンドの出力が表示される場合には、SCSI ベースのストレージプールはサポートの対象です。
- 先に vHBA を作成し、vHBA デバイスで SCSI ベースのストレージプールを作成できるようにしてある。詳細は、Creating vHBAs を参照してください。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-as
コマンドで、vHBA を使用して SCSI ストレージプールを定義して作成します。たとえば、以下は、guest_images_vhba
という名前のストレージプールを作成します。このストレージプールは、親アダプター (scsi_host3
)、ワールドワイドポート番号 (5001a4ace3ee047d
)、ワールドワイドノード番号 (5001a4a93526d0a1
) で識別される vHBA を使用します。ストレージプールは/dev/disk/
ディレクトリーにマウントされます。# virsh pool-define-as guest_images_vhba scsi --adapter-parent scsi_host3 --adapter-wwnn 5001a4a93526d0a1 --adapter-wwpn 5001a4ace3ee047d --target /dev/disk/ Pool guest_images_vhba defined
作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Parameters for SCSI-based storage pools with vHBA devices を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-list
コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ----------------------------------------- default active yes guest_images_vhba inactive no
ストレージプールを起動します。
virsh pool-start
コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。# virsh pool-start guest_images_vhba Pool guest_images_vhba started
注記virsh pool-start
コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virsh
コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart
コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。# virsh pool-autostart guest_images_vhba Pool guest_images_vhba marked as autostarted
検証
virsh pool-info
コマンドを使用して、ストレージプールがrunning
状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。# virsh pool-info guest_images_vhba Name: guest_images_vhba UUID: c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0 State: running Persistent: yes Autostart: yes Capacity: 458.39 GB Allocation: 197.91 MB Available: 458.20 GB
15.2.9. CLI を使用したストレージプールの削除
ホストシステムからストレージプールを削除するには、プールを停止して、その XML 定義を削除する必要があります。
手順
virsh pool-list
コマンドを使用して、定義済みストレージプールをリスト表示します。# virsh pool-list --all Name State Autostart ------------------------------------------- default active yes Downloads active yes RHEL-Storage-Pool active yes
virsh pool-destroy
コマンドを使用して、削除するストレージプールを停止します。# virsh pool-destroy Downloads Pool Downloads destroyed
オプション: ストレージプールの種類によっては、
virsh pool-delete
コマンドを使用して、ストレージプールが存在するディレクトリーを削除できます。これを実行するには、ディレクトリーが空である必要があります。# virsh pool-delete Downloads Pool Downloads deleted
virsh pool-undefine
コマンドを使用して、ストレージプールの定義を削除します。# virsh pool-undefine Downloads Pool Downloads has been undefined
検証
ストレージプールが削除されたことを確認します。
# virsh pool-list --all Name State Autostart ------------------------------------------- default active yes rhel-Storage-Pool active yes