24.2. RHEL 9 仮想化で推奨される機能
以下の機能は、Red Hat Enterprise Linux 9 (RHEL 9) に含まれる KVM ハイパーバイザーで使用することが推奨されます。
ホストシステムのアーキテクチャー
KVM を使用した RHEL 9 は、以下のホストアーキテクチャーでのみ対応します。
- AMD64 および Intel 64
- IBM Z - IBM z13 システムおよびそれ以降
- ARM 64
その他のハードウェアアーキテクチャーは、KVM 仮想化ホストとして RHEL 9 の使用に対応していないため、Red Hat では推奨していません。
ゲストのオペレーティングシステム
Red Hat は、特定のゲストオペレーティングシステム (OS) を使用する KVM 仮想マシンのサポートを提供します。サポートされているゲスト OS の詳細なリストについては、Red Hat ナレッジベース の認定ゲストオペレーティングシステムを参照してください。
ただし、デフォルトでは、ゲスト OS とホストとは、同じサブスクリプションを使用しない点に注意してください。したがって、ゲスト OS を適切に機能させるには、別のライセンスまたはサブスクリプションをアクティベートする必要があります。
さらに、仮想マシンにアタッチするパススルーデバイスは、ホスト OS とゲスト OS の両方でサポートされる必要があります。
同様に、デプロイメントの最適な機能を得るには、Red Hat では、仮想マシンの XML 設定で定義する CPU モデルおよび機能が、ホスト OS とゲスト OS の両方でサポートされることを推奨します。
さまざまなバージョンの RHEL で認定された CPU およびその他のハードウェアを表示するには、Red Hat Ecosystem Catalog を参照してください。
マシンタイプ
VM がホストアーキテクチャーと互換性があり、ゲスト OS が最適に実行されるようにするには、仮想マシンで適切なマシンタイプを使用する必要があります。
RHEL 9 では、RHEL の以前のメジャーバージョンでデフォルトであった pc-i440fx-rhel7.5.0
およびそれ以前のマシンタイプはサポートされなくなりました。その結果、RHEL 9 ホストでそのようなマシンタイプの VM を起動しようとすると、unsupported configuration
エラーで失敗します。ホストを RHEL 9 にアップグレードした後にこの問題が発生した場合は、Red Hat KnowledgeBase を参照してください。
コマンドラインを使用して仮想マシンを作成 する場合、virt-install
ユーティリティーにより複数の方法でマシンタイプを設定できます。
-
--os-variant
オプションを使用すると、virt-install
は、使用しているホスト CPU に対して推奨され、ゲスト OS でサポートされているマシンタイプを自動的に選択します。 -
--os-variant
を使用しない場合、または別のマシンタイプが必要な場合は、-machine
オプションを使用してマシンタイプを明示的に指定します。 -
サポートされていない、またはホストと互換性のない
--machine
値を指定すると、virt-install
が失敗し、エラーメッセージが表示されます。
サポートされているアーキテクチャー上の KVM 仮想マシンに推奨されるマシンタイプ、および --machine
オプションに対応する値は次のとおりです。Y は、RHEL 9 の最新のマイナーバージョンを表します。
-
Intel 64 および AMD64 (x86_64) の場合:
pc-q35-rhel9.Y.0
--machine=q35
-
IBM Z (s390x) の場合:
s390-ccw-virtio-rhel9.Y.0
--machine=s390-ccw-virtio
-
ARM 64 の場合:
virt-rhel9.Y.0
--machine=virt
既存の仮想マシンを取得する場合:
# virsh dumpxml VM-name | grep machine=
ホストでサポートされているマシンタイプの完全なリストを表示する場合:
# /usr/libexec/qemu-kvm -M help