第14章 Snapper でのスナップショットの作成と管理
スナップショットボリュームは、ターゲットボリュームのポイントインタイムコピーで、ファイルシステムを以前の状態に戻すことができます。Snapper は、Btrfs ファイルシステムおよびシンプロビジョニングの LVM ファイルシステムのスナップショットを作成して維持するコマンドラインツールです。
14.1. Snapper の初期設定の作成
Snapper は、操作するボリュームごとに個別の設定ファイルを必要とします。設定ファイルは手動で設定する必要があります。デフォルトでは、root ユーザーのみが snapper コマンドを実行できます。
警告
シンプロビジョニングを使用している場合は、シンプールの空き領域を監視します。シンプールが完全に消費されると、データが失われる可能性があります。詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 7 Logical Volume Manager Administration Guide』のThinly-Provisioned Logical Volumes (Thin Volumes)を参照してください。
Btrfs ツールおよびファイルシステムはテクノロジープレビューとして提供されるため、実稼働システムには適さないことに注意してください。
root 以外のユーザーまたはグループに特定の Snapper コマンドの使用を許可することは可能ですが、Red Hat では、権限のないユーザーまたはグループに対しては、権限を 昇格させない ことを推奨しています。このような設定は SELinux をバイパスし、セキュリティーリスクをもたらす可能性があります。Red Hat では、これらの機能をセキュリティーチームで確認し、代わりに sudo インフラストラクチャーの使用を検討してください。
注記
Btrfs は、Red Hat Enterprise Linux 7 ではテクノロジープレビューとして利用できますが、Red Hat Enterprise Linux 7.4 リリース以降では非推奨になりました。Red Hat Enterprise Linux の将来のメジャーリリースで削除される予定です。
詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7.4 リリースノートの 非推奨の機能 を参照してください。
手順14.1 Snapper 設定ファイルの作成
- 以下のいずれかを作成または選択します。
- シンプロビジョニングされた論理ボリューム (Red Hat がサポートするファイルシステムがその上にある)、または
- Btrfs サブボリューム。
- ファイルシステムをマウントします。
- このボリュームを定義する設定ファイルを作成します。LVM2 の場合:
#
snapper -c config_name create-config -f "lvm(fs_type)" /mount-pointたとえば、/lvm_mount にマウントした ext4 ファイルシステムを持つ LVM2 サブボリュームに、lvm_config という設定ファイルを作成する場合は、次のコマンドを実行します。#
snapper -c lvm_config create-config -f "lvm(ext4)" /lvm_mountBtrfs の場合:#
snapper -c config_name create-config -f btrfs /mount-point- -c config_name オプションは、設定ファイルの名前を指定します。
- create-config は snapper に設定ファイルを作成するように指示します。
- -f file_system は snapper に、使用するファイルシステムを指示します。これを省略すると、snapper がファイルシステムの検出を試みます。
- /mount-point は、サブボリュームまたはシンプロビジョニングされた LVM2 ファイルシステムがマウントされる場所です。
または、/btrfs_mount
にマウントされている Btrfs サブボリュームにbtrfs_config
という設定ファイルを作成するには、次のコマンドを実行します。#
snapper -c btrfs_config create-config -f btrfs /btrfs_mount
設定ファイルは
/etc/snapper/configs/
ディレクトリーに保存されます。