第1章 概要
『ストレージ管理ガイド』 には、Red Hat Enterprise Linux 7 でサポートされるファイルシステムおよびデータストレージ機能に関する広範な情報が含まれています。本書は、単一ノード (非クラスター化) ストレージソリューションを管理する管理者向けのクイックリファレンスになります。
ストレージ管理ガイドは、ファイルシステム、ストレージ管理、および VDO を使用したデータの重複排除と圧縮の 3 つに分かれています。
ファイルシステムのセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 7 がサポートするさまざまなファイルシステムについて詳しく説明します。ファイルシステムについての説明のほか、それらを最大限に活用する方法についても説明します。
ストレージ管理の部分では、Red Hat Enterprise Linux 7 がサポートするさまざまなツールとストレージ管理タスクについて詳しく説明します。ファイルシステムについての説明のほか、それらを最大限に活用する方法についても説明します。
VDO を使用したデータの重複排除と圧縮のセクションでは、VDO (Virtual Data Optimizer) について説明しています。VDO を使用して、ストレージ要件を減らす方法を説明します。
1.1. Red Hat Enterprise Linux 7 の新機能および改良された機能
Red Hat Enterprise Linux 7 におけるファイルシステムの機能拡張の特徴は、以下のとおりです。
eCryptfs は含まれていません。
Red Hat Enterprise Linux 7 の時点では、eCryptfs は含まれていません。ファイルシステムの暗号化の詳細については、Red Hat のセキュリティーガイドを参照してください。
System Storage Manager
Red Hat Enterprise Linux 7 には、コマンドラインインターフェイスを提供してさまざまなストレージ技術を管理する System Storage Manager と呼ばれる新しいアプリケーションが含まれています。詳細は、16章System Storage Manager (SSM) を参照してください。
XFS はデフォルトのファイルシステムです。
Red Hat Enterprise Linux 7 以降、XFS がデフォルトのファイルシステムになります。XFS ファイルシステムの詳細は、3章XFS ファイルシステム を参照してください。
ファイルシステムの再構築
Red Hat Enterprise Linux 7 では、新しいファイルシステム構造が導入されています。ディレクトリー
/bin
、/sbin
、/lib、および /lib
64
は、/usr
の下にネストされるようになりました。
Snapper
Red Hat Enterprise Linux 7 では、Snapper と呼ばれる新しいツールが導入されています。これにより、LVM および Btrfs のスナップショットの作成と管理が容易になります。詳細は、14章Snapper でのスナップショットの作成と管理 を参照してください。
Btrfs (テクノロジープレビュー)
注記
Btrfs は、Red Hat Enterprise Linux 7 ではテクノロジープレビューとして利用できますが、Red Hat Enterprise Linux 7.4 リリース以降では非推奨になりました。Red Hat Enterprise Linux の将来のメジャーリリースで削除される予定です。
詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7.4 リリースノートの 非推奨の機能 を参照してください。
Btrfs は、統合 LVM 操作を含む、より優れたパフォーマンスとスケーラビリティーの提供を目指すローカルファイルシステムです。このファイルシステムは、Red Hat では完全にサポートされていないため、テクノロジープレビューとなります。Btrfs の詳細は、6章Btrfs (テクノロジープレビュー) を参照してください。
NFSv2 はサポートされなくなりました
Red Hat Enterprise Linux 7 以降、NFSv2 はサポートされなくなりました。