2.3. FIPS モードへのシステムの切り替え
システム全体の暗号化ポリシーには、連邦情報処理標準 (FIPS) Publication 140 の要件に従って暗号化アルゴリズムを有効にするポリシーレベルが含まれています。FIPS モードを有効または無効にする fips-mode-setup ツールは、内部的に FIPS のシステム全体の暗号化ポリシーを使用します。
FIPS システム全体の暗号化ポリシーを使用してシステムを FIPS モードに切り替えても、FIPS 140 標準への準拠は保証されません。システムを FIPS モードに設定した後にすべての暗号キーを再生成することは、可能でない場合があります。たとえば、ユーザーの暗号キーを含む既存の IdM レルムの場合、すべてのキーを再生成することはできません。
RHEL のインストール中に FIPS モード を有効にするだけで、システムは FIPS で承認されるアルゴリズムと継続的な監視テストですべてのキーを生成するようになります。
fips-mode-setup ツールは、FIPS ポリシーを内部的に使用します。ただし、--set FIPS オプションを指定した update-crypto-policies コマンドが実行する内容に加え、fips-mode-setup は、fips-finish-install ツールを使用して FIPS dracut モジュールを確実にインストールします。また、fips=1 ブートオプションをカーネルコマンドラインに追加し、初期 RAM ディスクを再生成します。
FIPS モードのセットアップを完了した後、FIPS モードをオフにすると、システムが必ず不整合な状態になります。このような変更が必要な場合、システムを完全に再インストールするのが唯一の正しい方法です。
手順
システムを FIPS モードに切り替えるには、以下のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow システムを再起動して、カーネルを FIPS モードに切り替えます。
reboot
# rebootCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
システムが再起動したら、FIPS モードの現在の状態を確認できます。
fips-mode-setup --check
# fips-mode-setup --check FIPS mode is enabled.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow