第15章 ファイルシステムの検査と修復
RHEL は、ファイルシステムの検査および修復が可能なファイルシステム管理ユーティリティーを提供します。このツールは、通常 fsck
ツールと呼ばれることが多く、fsck
は、file system check を短くした名前になります。ほとんどの場合、このようなユーティリティーは、必要に応じてシステムの起動時に自動的に実行しますが、必要な場合は手動で呼び出すこともできます。
ファイルシステムチェッカーは、ファイルシステム全体のメタデータの整合性のみを保証します。チェッカーは、ファイルシステムに含まれる実際のデータを認識しないため、データのリカバリーツールではありません。
15.1. ファイルシステムの検査が必要なシナリオ
以下のいずれかが発生した場合は、関連する fsck
ツールを使用してシステムを検査できます。
- システムが起動しない
- 特定ディスクのファイルが破損する
- 不整合によりファイルシステムがシャットダウンするか、読み取り専用に変更する
- ファイルシステムのファイルにアクセスできない
ファイルシステムの不整合は、ハードウェアエラー、ストレージ管理エラー、ソフトウェアバグなどのさまざまな理由で発生する可能性があります。
ファイルシステムの検査ツールは、ハードウェアの問題を修復できません。修復を正常に動作させるには、ファイルシステムが完全に読み取り可能かつ書き込み可能である必要があります。ハードウェアエラーが原因でファイルシステムが破損した場合は、まず dd(8)
ユーティリティーなどを使用して、ファイルシステムを適切なディスクに移動する必要があります。
ジャーナリングファイルシステムの場合、システムの起動時に通常必要なのは、必要に応じてジャーナルを再生することだけで、これは通常非常に短い操作になります。
ただし、ジャーナリングファイルシステムであっても、ファイルシステムの不整合や破損が発生した場合は、ファイルシステムチェッカーを使用してファイルシステムを修復する必要があります。
/etc/fstab
の 6 番目のフィールドを 0
に設定すると、システムの起動時にファイルシステムの検査を無効にできます。ただし、Red Hat は、システムの起動時に fsck
に問題がある場合 (非常に大きなファイルシステムやリモートファイルシステムなど) を除いて、無効にすることを推奨しません。
関連情報
-
システム上の
fstab(5)
、fsck(8)
、およびdd(8)
man ページ