第2章 RHEL システムロールを使用したローカルストレージの管理
Ansible を使用して LVM とローカルファイルシステム (FS) を管理するには、RHEL 9 で使用可能な RHEL システムロールの 1 つである storage
ロールを使用できます。
storage
ロールを使用すると、ディスク上のファイルシステム、複数のマシンにある論理ボリューム、および RHEL 7.7 以降の全バージョンでのファイルシステムの管理を自動化できます。
RHEL システムロールと、その適用方法の詳細は、RHEL システムロールの概要 を参照してください。
2.1. storage
RHEL システムロールを使用してブロックデバイスに XFS ファイルシステムを作成する
このサンプルの Ansible Playbook では、ストレージロールを使用して、デフォルトのパラメーターでブロックデバイス上に XFS ファイルシステムを作成します。/dev/sdb
デバイス上のファイルシステム、またはマウントポイントのディレクトリーが存在しない場合は、Playbook により作成されます。
storage
ロールは、パーティションが分割されていないディスク全体または論理ボリューム (LV) でのみファイルシステムを作成できます。パーティションにファイルシステムを作成することはできません。
前提条件
- コントロールノードと管理対象ノードの準備が完了している。
- 管理対象ノードで Playbook を実行できるユーザーとしてコントロールノードにログインしている。
-
管理対象ノードへの接続に使用するアカウントに、そのノードに対する
sudo
権限がある。
手順
次の内容を含む Playbook ファイル (例:
~/playbook.yml
) を作成します。--- - name: Manage local storage hosts: managed-node-01.example.com tasks: - name: Create an XFS file system on a block device ansible.builtin.include_role: name: rhel-system-roles.storage vars: storage_volumes: - name: barefs type: disk disks: - sdb fs_type: xfs
サンプル Playbook で指定されている設定は次のとおりです。
name: barefs
-
現在、ボリューム名 (この例では
barefs
) は任意です。storage
ロールは、disks
属性にリストされているディスクデバイスによってボリュームを識別します。 fs_type: <file_system>
-
デフォルトのファイルシステム XFS を使用する場合は、
fs_type
パラメーターを省略できます。 disks: <list_of_disks_and_volumes>
ディスク名と LV 名の YAML リスト。LV 上にファイルシステムを作成するには、その LV を含んでいるボリュームグループも含めて、
disks
属性に LVM 設定を指定します。詳細は、storage RHEL システムロールを使用して論理ボリュームを作成またはサイズ変更する を参照してください。LV デバイスへのパスを指定しないでください。
Playbook で使用されるすべての変数の詳細は、コントロールノードの
/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.storage/README.md
ファイルを参照してください。Playbook の構文を検証します。
$ ansible-playbook --syntax-check ~/playbook.yml
このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook ~/playbook.yml
関連情報
-
/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.storage/README.md
ファイル -
/usr/share/doc/rhel-system-roles/storage/
ディレクトリー