21.3. インストール後の問題
21.3.1. リモートグラフィカルデスクトップと XDMCP
X Window System をインストールしており、グラフィカルログインマネージャーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムにログインする場合は、XDMCP ( X Display Manager Control Protocol )を有効にします。このプロトコルにより、ユーザーは、X Window System と互換性のあるクライアント(ネットワーク接続されたワークステーションや X ターミナルなど)からデスクトップ環境にリモートでログインできます。XDMCP を使用したリモートログインを有効にするには、vi や nano などのテキストエディターで Red Hat Enterprise Linux システムの
/etc/gdm/custom.conf
ファイルで次の行を編集します。
Enable=true
の行を追加し、ファイルを保存してテキストエディターを終了します。ランレベル 5 に切り替えて X サーバーを起動します。
/sbin/init 5
クライアントマシンから、X を使用してリモート X セッションを開始します。以下に例を示します。
X :1 -query s390vm.example.com
このコマンドは、XDMCP を介してリモート X サーバーに接続し( s390vm.example.com をリモート X サーバーのホスト名に置き換え)、クライアントシステムのディスプレイ
:1
にリモートグラフィカルログイン画面を表示します(通常は Ctrl-Alt-F8 キーの組み合わせを使用してアクセスできます)。
ネストされた X サーバーを使用してリモートデスクトップセッションにアクセスすることもできます。これにより、リモートデスクトップが現在の X セッションでウィンドウとして開きます。Xnest を使用すると、ユーザーはローカルの X セッション内にネストされたリモートデスクトップを開くことができます。たとえば、以下のコマンドを使用して Xnest を実行し、s390vm.example.com をリモート X サーバーのホスト名に置き換えます。
Xnest :1 -query s390vm.example.com