31.8.2. ネットワーク上でキックスタートファイルの準備
システム管理者は、多くのネットワークコンピューターへのインストールを迅速に自動化できるため、キックスタートを使用したネットワークインストールは非常に一般的です。一般的に最も一般的に使用される方法は、管理者がローカルネットワーク上の BOOTP/DHCP サーバーと NFS サーバーの両方を指定することです。BOOTP/DHCP サーバーはクライアントシステムにネットワーク情報を提供するのに使用します。一方、インストール中に使用される実際のファイルは NFS サーバーによって提供されます。多くの場合、これら 2 つのサーバーは同じ物理マシンで実行されますが、必須ではありません。
ネットワークベースのキックスタートインストールを実行するには、ネットワーク上に BOOTP/DHCP サーバーが必要で、Red Hat Enterprise Linux のインストールしようとしているマシンの設定情報を含める必要があります。BOOTP/DHCP サーバーは、クライアントがネットワーク情報とキックスタートファイルの場所を提供します。
BOOTP/DHCP サーバーでキックスタートファイルを指定すると、クライアントシステムはファイルのパスの NFS マウントを試行し、キックスタートファイルとして使用して、指定したファイルをクライアントにコピーします。必要な設定は、使用する BOOTP/DHCP サーバーによって異なります。
以下は、DHCP サーバーの
dhcpd.conf
ファイルからの行の例です。
filename
"/usr/new-machine/kickstart/"; next-server blarg.redhat.com;
filename
の後の値は、キックスタートファイル(またはキックスタートファイルが存在するディレクトリー)の名前に置き換え、next-server
の後の値に NFS サーバー名に置き換えます。
BOOTP/DHCP サーバーが返すファイル名がスラッシュ("/")で終わる場合は、パスとしてのみ解釈されます。この場合、クライアントシステムは NFS を使用してそのパスをマウントし、特定のファイルを検索します。クライアントが検索するファイル名は次のとおりです。
<ip-addr>-kickstart
ファイル名の <
ip-addr
> セクションは、ドット付き 10 進数表記でクライアントの IP アドレスに置き換える必要があります。たとえば、IP アドレスが 10.10.0.1 のコンピューターのファイル名は 10.10.0. 1-kickstart に
なります。
サーバー名を指定しないと、クライアントシステムは NFS サーバーとして BOOTP/DHCP 要求に応答するサーバーの使用を試みることに注意してください。パスやファイル名を指定しないと、クライアントシステムは BOOTP/DHCP サーバーから
/kickstart
をマウントしようとし、上記のように同じ < ip-addr> -kickstart ファイル名を使用してキックスタート
ファイルの検索を試みます。