用語集
この語彙集はインストールガイドで使用されている用語を定義する為の ものです。
- dom0
- ホスト、又はホストオペレーティングシステムとしても 知られています。
dom0
とは、Hypervisor を 稼働している Red Hat Enterprise Linux のホストインスタンスを指します。Virtualization-Hypervisor は ゲストオペレーティングシステムの仮想化を促進します。Dom0 は物理ハードウェア上で稼働して、そのハードウェアを管理して、それ自身とゲストオペレーティングシステムの為にリソースを割り当てます。 - domU
domU
とは、ホストシステム上で稼働するゲストオペレーティング システムを指します (ドメイン)。- Hypervisor
- hypervisor とは、ハードウェアをオペレーティングシステムから抽出して、複数の オペレーティングシステムが同じハードウェア上で稼働できるようにするソフトウェア です。hypervisor はホストオペレーティングシステム上で稼働し、他の仮想化 オペレーティングシステム群がそのホストのハードウェア上で稼働できるように します。
- I/O
- 入力/出力(input/output)の短縮形です(発音:アイオー)。I/O と言う用語は データをコンピュータと周辺機器との間で転送する全てのプログラム、操作、あるいは デバイスを示します。全ての転送は1つのデバイスからの出力であり、別のデバイスへの 入力となります。キーボードやマウスなどのデバイスは入力のみのデバイスであり、プリンター などのデバイスは出力のみとなります。書き込み可能な CD ROM は入力と出力両方のデバイス です。
- Itanium®
- Intel Itanium® プロセッサアーキテクチャ
- Kernel SamePage Merging
- Kernel SamePage Merging (KSM) モジュールは、KVM ゲストが同一のメモリーページ群を共有 できるようにする KVM hypervisor によって使用されます。共有されるページは通常、共通の ライブラリか、又は他の同一の使用頻度の高いデータです。KSM は各種のゲストと 増加続けるゲスト密集のためにキャッシュ内にこれらのライブラリを維持することにより、 特定のゲストのパフォーマンスを増強できます。
- LUN
- LUN(Logical Unit Number)は論理ユニット(SCSI プロトコルエンティティ)に 割り当てられた番号です。
- MAC アドレス
- MAC(Media Access Control)アドレスはネットワークインターフェイスコントローラの ハードウェアアドレスです。仮想化のコンテキストでは、MAC アドレスは、ローカルドメイン上の 各 MAC が特有である状態で仮想ネットワークインターフェイス用に生成されなければなりません。
- Para-virtualization
- Para-virtualization とは、時として xen カーネル、又は kernel-xen パッケージと呼ばれる特殊なカーネルを使用します。Para-virtualized ゲストカーネルは、ホストの ライブラリとデバイスを使用しながら、ホスト上で並行して実行されます。Para-virtualization の インストールは、セキュリティ設定(SELinux とファイル制御)で制限可能なシステム上で全ての デバイスへの完全なアクセスを持っています。完全仮想化よりも Para-virtualization の方が高速です。 Para-virtualization はロードバランシング、プロビジョニング、セキュリティ、及び統合性利便に 於いて効果的に使用できます。Fedora 9 の時点で、特別なカーネルはもう必要なくなりました。このパッチが 基幹の Linux ツリーに受け入れられてから、このバージョン以降の全ての Linux カーネルは para-virtualization 認識ができて利用可能になっています。
- Para-virtualized
- Para-virtualized のドライバー
- Para-virtualized のドライバーとは、完全仮想化の Linux ゲスト上で 動作するデバイスドライバーです。これらのドライバーは完全仮想化の ゲスト用にネットワークとブロックデバイスのパフォーマンスを大幅に 向上します。
- Security Enhanced Linux
- Security Enhanced Linux の省略名である、SELinux は LSM (Linux Security Modules) を Linux カーネル内で使用して、セキュリティポリシーに必要な各種の最低限特権を提供します。
- Universally Unique Identifier
- UUID (Universally Unique Identifier) とは、分散型コンピューティング環境の中で デバイス、システム、及び特定のソフトウェアオブジェクトの為の標準化した番号付け 手段です。仮想化の中での UUID のタイプとしては、
ext2
とext3
のファイルシステムの識別子、 RAID デバイス識別子、iSCSI と LUN の識別子、MAC アドレスと仮想マシンの識別子が あります。 - Xen
- Red Hat Enterprise Linux は Xen hypervisor 及び KVM hypervisor をサポートします。 (カーネルベース仮想マシン を参照) この2つのハイパバイザーは異なるアーキテクチャと開発アプローチを持ちます。 Xen hypervisor は 主要ホスト管理システムリソース及び 仮想化 API として 機能する Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム下で動作します。 ホストは時には、dom0 とか、Domain0 と 呼ばれます。
- カーネルベース仮想マシン
- KVM (Kernel-based Virtual Machine カーネルベースの仮想マシン) とは、AMD64 と Intel 64 のハードウェア上の Linux 用 完全仮想化 ソリューションです。VM は 標準の Red Hat Enterprise Linux カーネル用に構築された Linux カーネルモジュールです。KVM は 仮想化ゲストとしての Windows と Linux のオペレーティングシステムを無修正で複数実行できます。KVM は hypervisor で あり、これは libvirt 仮想化ツール (virt-manager 及び virsh) を使用します。KVM は Linux カーネルモジュールの集合であり、デバイス、メモリー、及び Hypervisor モジュール自身の為の API 管理を管理します。仮想化ゲストは これらのモジュールに制御される Linux のプロセスとスレッドとして実行 されます。
- ゲストシステム
- ゲスト、仮想マシン、あるいは domU としても知られています。
- ドメイン
- domU と ドメイン は両方共ドメインです。 ドメインは Hypervisor 上で稼働します。 ドメインと言う用語は 仮想マシン に 似た意味を持ち、その双方は技術的に交換可能です。ドメインは仮想マシンです。
- ハードウェア仮想マシン
- 参照 完全仮想化
- ベアメタル
- この用語、ベアメタルとはコンピュータの背後にある物理的アーキテクチャを指す言葉です。 ベアメタル上でオペレーティングシステムを実行すると言うことは、言い方を変えると、物理的 ハードウェア上で無修正のオペレーティングシステムを実行すると言うことです。ベアメタル上で 実行しているオペレーティングシステムの例としては dom0 、又は通常にインストールされたオペレーティングシステムがあります。
- ホスト
- ホストオペレーティングシステム。別名、dom0ホストオペレーティングシステム環境は 完全仮想化した と Para-virtualized の両ゲストシステムの為に仮想化ソフトウェアを 実行します。
- 仮想マシン
- 仮想マシンとは、物理マシンのソフトウェア実装、あるいはプログラミング 言語です(例えば、Java ランタイム環境や LISP)。仮想化のコンテキストでは、仮想マシンは仮想化したハードウェア上で稼働しているオペレーティングシステムと 言う意味になります。
- 仮想化
- 仮想化とは、ソフトウェア実行の為の幅広い意味のコンピューティング用語です。通常は、1つのシステム上で他のプログラムと並行していて、且つ分離しているオペレーティングシステムのことです。仮想化のほとんどの既存実装は、hypervisor を 使用します。hypervisor はオペレーティングシステム上にあるソフトウェアレイヤーで あり、ハードウェアを抽出するためのものです。hypervisor は ゲストオペレーティング システムに仮想化ハードウェアを与えることによって複数のオペレーティング システムが同じ物理システム上で稼働できるようにします。オペレーティングシステムを 仮想化する方法は以下のように各種存在します:
- ハードウェアで支援された仮想化として、Xen と KVM を使用した 完全仮想化があります。(定義:完全仮想化)
- Para-virtualization は Linux ゲストを実行するために Xen で使用される技術です。 (定義:Para-virtualization)
- ソフトウェア仮想化、又は模倣。ソフトウェア仮想化はバイナリトランスレーションと 他の模倣技術を使用して無修正のオペレーティングシステムを実行します。ソフトウェア 仮想化はハードウェア支援の仮想化や para-virtualization よりもかなり遅くなります。 ソフトウェア仮想化は、QEMU の形式であり、Red Hat Enterprise Linux ではサポートが ありません。
- 仮想化 CPU
- システムは、物理プロセッサコアの数に比較して数多くの仮想 CPU (VCPU) を持ちます。 仮想 CPU の数量は有限であり、ゲスト仮想マシンに割り当て可能な仮想 CPU の 全数を示します。
- 完全仮想化
- Xen と KVM は完全仮想化を使用できます。完全仮想化はプロセッサのハードウェア機能を 使用して、背後にある物理システム (ベアメタル) の 全面的抽出を提供して、ゲストオペレーティングシステムが稼働できる新規の仮想システムを 作成します。このゲストオペレーティングシステムには修正の必要がありません。ゲスト オペレーティングシステムとゲスト上のアプリケーションはいずれも仮想環境の認識がなく、 通常通りに稼働します。Para-virtualization は Linux オペレーティングシステムの修正版を 必要とします。
- 完全仮想化した
- 完全仮想化 を参照
- 移行
- 移行(Migration)とは、仮想化ゲストを1つのホストから別のホストに移動する プロセスの呼び名です。移行はオフラインでも実施できます(ゲストは休止してそれから 移動)。又はライブでも可能です(ゲストは休止せずに移動)。Xen 完全仮想化ゲスト、 Xen para-virtualized ゲスト、及び KVM 完全仮想ゲストは全て移行できます。移行は仮想化の基幹機能です。ここではソフトウェアが完全にハードウェアから 分離されています。移行は以下の部分で役に立ちます:
- ロードバランシング:ホストがロード超過になった時点で、ゲストは使用度の低い 別のホストへと移動されます。
- ハードウェアフェイルオーバー:ホスト上のハードウェアデバイスがスタートに 失敗すると、ゲストは移動してホストが安全に停止と修理をできるようになります。
- 節電:低使用の期間にはゲスト群は他のホスト群に分配できるため、主ホストシステムは 電力を落として、節電とコスト低減ができます。
- 地域的な移行:より少ない遅延の為や、重大な事態の場合にはゲストは他の 場所に移動できます。
共有のネットワークストレージがゲストイメージの保存に使用されます。共有 ストレージ無しでは移行は不可能です。オフライン移行はゲストを休止して、それからゲストのメモリーのイメージを 移動先のホストに移動します。ゲストは移動先ホスト上で再開始されて、移動前の ホスト上でゲストが使用したメモリーは開放されます。オフライン移行にかかる時間はネットワークのバンド幅と遅延により変化します。 2GB のメモリーを持つゲストは、1 Gbit のイーサネットリンク上で数秒かかる でしょう。ライブ移行は移動元のホストでゲストを稼働状態に保ち、ゲストを停止せずに メモリーの移動を開始します。修正されたメモリーページは全て追跡されて イメージが送信された後に、目的地に送信されます。そのメモリーは変更のあったページで更新されます。このプロセスは、なんらかの発見的手法に到達するまで継続されます:それは全てのページが正常にコピーされるとか、又は 移動元の変更が速過ぎて、目的地のホストが進展できない状態などです。発見的手法に到達すると、ゲストは移動元のホスト上で一時停止して、レジスターとバッファが 送信されます。レジスターは目的地のホスト上でロードされて、ゲストはそれから その新しいホスト上で復帰します。ゲストがマージできない場合(ゲストがロード超過の時など 発生)、ゲストは一時停止して、それからオフライン移行が代理として開始されます。ライブ移行にかかる時間はネットワークのバンド幅と遅延度と、更にはゲスト上の 活動にも影響されます。ゲストがかなりの量の I/O 又は CPU を使用している場合、 移行にはより時間がかかります。